ミュージックマガジン2月号 特集は「さよならムーンライダーズ」

 宝塚歌劇の雑誌「歌劇」風にいえば「ムーンライダーズサヨナラ特集」とでもいうことになるのだろうか。  いまだに多くのファンが信じられずにいる、ムーンライダーズ無期限活動休止。  その謎を解き明かす特集……というわけではあまりなくて、昨年12月のライブの模様、そしてゆかりのアーティストやライターたちによる思い出話……というような内容になっていて、正直「もっと今の状況を突っ込んで論じてくれないものだろうか」「メンバーのインタビューが誰ひとりとして無いのはやはり寂しいし、特集記事としても半端なのでは」と思わずにいられない。  そんな中、「この一曲と、わたし」と題された特集には、あがた森魚、岩井俊二、サエキけんぞう、直枝政広、PANTAといったゆかりの人々が選ぶムーンライダーズの一曲と思い出が語られていて、読者も思わず「私にとっての一曲は……」と脳内で選曲作業を行うのではないだろうか。 実際、twitter上には、「ムーンライダーズこの一曲と私」というようなハッシュタグが存在する。  あまりにも突然の活動休止宣言。 正直なところ、現段階ではメディアも周辺人物もファンもその事実を受け止めるので精いっぱいで、冷静に論じるところまでいっていないのだろう。 とりあえず自分にとってのムーンライダーズの思い出を総括することくらいしか今はできそうにないのだ。  というわけで私も、この場をお借りして、自分とムーンライダーズとの出会いからちょっと振り返ってみます。  「名前は知ってるけど……」くらいの存在でしかなかったムーンライダーズのアルバムを初めて買ったのは1999年か2000年くらいのこと。 カーネーション直枝氏参加の「僕は負けそうだ」目当てで買った「BIZARRE MUSIC FOR YOU」が、私にとっての初ムーンライダーズだった。 「僕は……」もさることながら、「BEATITUDE」をはじめとして、年齢相応の苦みや傷みを持ちつつもはじけまくるおじさまたちの姿に衝撃を受けたのだった。 その後、ベストアルバム「アンソロジー」にも楽しませてもらったりしたものの、私事でいろいろあったためしばらくムーンライダーズとは疎遠になった。  ふたたび何の脈絡もなくムーンライダーズ熱に火がついたのは2007年。 とにかくアルバムを入手できる限り買いまくった。 2007年という年は盲腸、妊娠、退職と激動の年だったのだが、そんな日々をタノシクしてくれたのはなんといってもムーンライダーズの作品たちであった。 その後、現在に至るまで、私を、そして3歳の息子をも(!)楽しませ、唸らせてくれるムーンライダーズ。  名曲だらけのムーンライダーズの曲の中で、私の中での№1を選ぶのは難しいが(というかいまだに入手できていない作品もあるし……)やはり最初の衝撃という点で「BEATITUDE」を挙げてしまう。 ♪夢の数だけなら負けはしない キズの数をかぞえたら十万億 とどけよBEATITUDE カルマにまみれて♪ こんな自虐的な歌詞をあんな元気な(でも少し枯れた)サウンドに乗せて、おじさま5~6人で合唱するバンドってそういない。 炸裂するギターもすごい。 この曲は私のようなひねくれ者にとって最高に「元気が出る」曲だ。  うーんでもやっぱり「くれない埠頭」も、いややっぱり「ボクハナク」でしょう、いやいや「湊町レヴュー」も、いや待て待て「工場と微笑」も……と、やはり一曲どころか次から次へと好きな曲が出て来て困ってしまうのだ。 それが35年の歴史というものでしょう。
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 02月号 [雑誌]
ミュージックマガジン
2012-01-20

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posted by つむ at 14:36

「ムーンライダーズの30年」

というわけで、ムーンライダーズ突然ともいえる無期限活動休止宣言に驚いたり落ち込んだりしてるファンの皆様も多いことかと。  私はたかだか5~6年前からのファンなので、30年以上追いかけているファンの方々の足元にも及ばないわけだけれど、それでも特に70年代から80年代の作品を中心に現在進行形で愛聴中なので、やはりショックである。  そんなわけで再読しているのがこれ。  この本の存在を知ったのは4年前の夏。 近所の書店にはなかったので、わざわざ取り寄せてもらったのを覚えている。   これは2006年、ムーンライダーズデビュー30周年を記念してミュージックマガジンから増刊という形で発行されたもの。  やはりずっとムーンライダーズを追い続けてきた雑誌だけあって、ひとことでいうと濃い。  メンバーへのインタビュー、全作品解説、ソロワーク解説、ヒストリーなどはもちろんのこと、周辺人物(大瀧詠一、あがた森魚、スタッフなど)のインタビューや寄稿、過去にメンバーがミュージックマガジン誌に寄せた原稿、などなどなど、2006年までのムーンライダーズのすべてがこれ一冊でわかると言っても過言ではないかもしれない。  私のような新参者もいいところのファンとしては、これをバイブルのようにして旧作を集め、聴き続けたものだ。    今回の事態を受けて、どうかこの、稀代の長寿&モンスターバンドの35年をまとめた本を、ミュージックマガジンさんでもいいですし、レコードコレクターズでもストレンジデイズでもロック画報(今もあるんかな?)でもいいですので、なにとぞなにとぞ、出版していただけないでしょうか。  音楽はもちろん素晴らしいし面白いのだけれど、それにもまして、「読む」ことですごく刺激を受けることができる、そんな稀有なバンドなので。
posted by つむ at 15:19

ムーンライダーズ「青空百景」

 ご覧になった方もいらっしゃるかもしれないが、先日のNHK「ブラタモリ」(タモリが東京都内をぶらぶら散策するだけの番組)で、羽田空港を特集していて、ムーンライダーズの超名曲「くれない埠頭」がかかった。  といっても5秒くらいだけだったけど  ともあれ、ムーンライダーズの曲がメディアに流れるのは大変貴重なので、mixi内のムーンライダーズコミュニティでも結構盛り上がっていた。  私としても、鈴木慶一・博文兄弟を育んだ大田区・羽田には以前からどんな町並みなのか興味があったので、ワクワクしながら見てしまった。  その「くれない埠頭」を含む80年代初頭のライダーズ名曲をたっぷり楽しめるのがこの一枚。  発売の経緯については有名な話なのでさらっとふれると、前作「マニア・マニエラ」が「難解すぎる」「売れない」とお偉方から批判され、「だったらリリースしない」とメンバー自ら発売を拒否。 かわりに「こういうポップなのつくりゃいいんでしょ」という感じだったのかは知らないが、同じバンドとは思えないほどポップに突き抜けた本作「青空百景」をリリースしたという流れ。  だからといって本作で大ブレイク!とは行かなかったみたいだけれど(しくしく)。  「僕はスーパーフライ」「青空のマリー」「真夜中の玉子」「トンピクレンッ子」……とまあ、これでもかというほどピーカンな曲が並ぶ(トンピクレンは特にお気に入り。「お風呂に入る子元気な子」って……)。  そんな中でも、「物は壊れる 人は死ぬ 三つ数えて 目をつぶれ」というようなダークな曲もしっかり収録というあたり、「ただのポップなアルバムで終わらせない」というメンバーの意地を感じる(か?)。    そして冒頭の「くれない埠頭」がラストに来るんだな。  何度聴いてもしみじみさせられる。  「夢を見た日から 今日まで走った」なんて歌詞、なんだかムーンライダーズの軌跡をそのまま表したようではないか。  そして現在も走り続けている。 もう35年も。  「結局、いつも昨日の続きなんですよ」という、岡田徹氏のインタビューでの言葉が思い出される。  昨日の作業の続きを続けているうちに何十年も気づけば経っていた、なんてかっこいいんだろう。  これといって何年も継続しているものが何ひとつない私(まあ一応、このブログは6年も続けてますけど)にとっては、まぶしすぎるバンドである。
青空百景
Sony Music Direct
2006-10-25
ムーンライダーズ

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posted by つむ at 23:31

ムーンライダーズ「ムーンライダーズ」

 2007年の私内最優秀アーティストは、間違いなくムーンライダーズだ。   「30周年も終わったのに、いまさらムーンライダーズでも…」などというなかれ。  30年を過ぎても、良いバンドは良いバンドだし、良い音楽は簡単に時を超えてしまうものなのだ。  こちらは、ムーンライダーズ30周年記念紙ジャケット仕様の一枚。  ジャケットが赤いことから「赤いアルバム」とも呼ばれているそうだ。  時代をいい意味で感じさせない。  いつの時代でも聴けそうなお洒落で粋なバンドサウンドが満載なのだ。    基本的に作者がヴォーカルも取るという形を取っているそうで、鈴木慶一氏だけでなく、武川雅寛氏、かしぶち哲郎氏、鈴木博文氏の歌も聞くことができる。  個人的には慶一氏がすべての曲でヴォーカルを取るアルバムより、こういうのの方が好きだなあ(慶一氏の歌が苦手というわけじゃないんだけど、こちらの方がヴァラエティに富むから)。  「頬打つ雨」におけるくじらさん(武川)の骨太で包容力のあるヴォーカル(20代だったんですよね……渋いなあ)にしびれる。  このアルバムでは「マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン」「スパークリングジェントルマン」などが名曲として後世に語り継がれてるけど、私はあえて「湊町レビュー」「シナ海」を推したい。  「湊町…」のこの粋さはどうだ。  「シナ海」のイントロのこのヴァイオリンの歪んだ美しさはどうだ。  やはり時を超えた名盤です。
ムーンライダーズ(紙ジャケット仕様)
日本クラウン
2006-10-25
ムーンライダーズ

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posted by つむ at 11:39

MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006

まいった。パソコンがほとんど起動しなくなってしまったため、もう一ヶ月もインターネットをやってない。実家にもいろいろあってなかなか帰れなかったので、今日やっとのことで帰ってやっとのことでブログを更新している。  前にも書いたように、インターネットが出来ない代わりの暇つぶしといえば、英検準一級をめざして勉強してみたり、音楽(といっても最近はムーンライダーズ一辺倒なんだけど)を聴きながらごろごろしたり、パンツやカーテンを短くしてみたり、まあ今までやろうやろうと思いつつさぼってたことをやってるわけであります。  中でもムーンライダーズはいよいよ数枚を残してすべてコンプリートしつつある(「マニアマニエラ」「アニマルインデックス」「ムーンライダーズの夜」あたりがどこのショップにもないのよ。「ネットで買ったらいいじゃん」との声も聞こえてくるが、前述の通りネットは使えないので……)。タワーレコード明石店および神戸店からはムーンライダーズが根こそぎなくなっている状況(というのはオーバーだが)であり、その状況を作ってるのは私です。えへ。  おかげでスタンプカードがいっぱいになり、その分で買ってみたのがこのCD。  雑誌で読んではいたけれど、改めて、あの曲も、あのCMソングも、ムーンライダーズのメンバーが関わってたの!?と、驚いてしまう曲ばかりだ。  「いまのキミはピカピカに光って」「キ・サ・ラ恋人」「ネコ大好きフリスキ~♪」「明星一平ちゃ~ん♪」「ドコ、ドコ、ドコ、ドコ、ドコ、ドコモダケ♪」「クラッシュ、クラッシュ、バンディクー♪」などなどなど。これ一枚である程度の昭和のCMソングをカバーできるのではというのは大げさだが、これ、今ばやりのレトロなレストランとかでBGMでかけてみたら受けるだろうな。姫路の駅ビルにそういう、昔のCMソングばかりかけている食堂があるけど、このCDもお店の人にぜひレコメンドしたい。  ちなみに、今となっては二度と聞けないであろう、コ×スンのCM音楽も収録されてますが、「ハロー、コム×ン」って言ってる男女の男性の方は、なんとあの青山陽一氏らしいですね。それ知ってりゃもっと大切にCM見てたのに(涙)。
MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006
Sony Music Direct
2006-12-20
ムーンライダーズ

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posted by つむ at 22:26

ムーンライダーズ「Don't Trust Over Thirty」

 というわけで、6日間の入院と一週間の自宅療養を経て、めでたく?職場復帰も果たした私である。  最も痛かった最初の3日間くらい、頭の中でぐるぐる回っていたのが、ムーンライダーズ「何だ? この、ユーウツは!!」。  ♪何だこんなユーウツは、いつまで続くんだろう ガラス瓶の中に閉じ込められて♪ の「ユーウツ」を「腹の痛み」に置き換えると、そのまま当時の私の心境とぴったりだったのだ。  風邪でもなんでもそうだけれど、病気で苦しんでいるときは、その苦しみが永遠に続くと感じてしまう。元気だった頃があったことが信じられなくなる。一生この痛みとともに生きていかなければいけないのかと絶望してしまうものだ。  私も盲腸の痛み、手術後の傷の痛み、が、治らずに永遠に続くような気がしてしまい、このガラス瓶のような病室から出られずに一生生きるのか、病院で死ぬっていうのはこういうことなのか、と、今でこそオーバーな気もするが、本気でそのくらいの落ち込みに至っていた。  そんなわけで、このアルバムを聴きながらさらに暗い気分になっていったわけだけど、ほぼ完治した今はごく普通の気分で楽しく聴いています。  ムーンライダーズデビュー10周年を記念するアルバム(1986年)。でも記念アルバムとは思えないほど暗めの重めの雰囲気に包まれた作品である。  歌詞に特徴的なのが、憂鬱と逃避。30代、40代になり、仕事でそれなりの地位を築き家庭も築いた男の憂鬱と逃避願望なのだ。  ♪金さえあればの40代 ああ金がほしい 自由がほしい 何もしたくない♪と歌う蛭子能収作詞の「だるい人」。子供も愛人も妻も捨てて逃亡する男を歌う「Don't Trust Anyone Over Thirty」。そして冒頭にもあげた、心の病を歌った「何だ? この、ユーウツは!!」。  サウンドも(時代もあるんだろうけど)やや重めで、決して気軽に聞ける作品ではないものの、やはりムーンライダーズらしいロックの楽しさが存分に感じられる作品である。  カーネーションファンの私としては「ボクハナク」での直枝氏の、デビュー前とはとても思えない成熟したヴォーカルがまたうれしい。  それにしても1986年。私はチェッカーズに夢中だったド田舎の小学6年生。とてもとてもこの作品が耳に入る状況ではなかったわけだけど、21年という時を経て32歳になった私の耳にも、若干の懐かしさと、大いなる新鮮さをもって響く名盤である。  ちなみに、私が病気で休んでいる間に、なんと勤め先のわが大学は、はしかで休講になってしまいました……。  休講中の大学事務局というのは決して遊んでいるわけではなくて、休講分の補講をいつやるか、先生方との調整とかでけっこう大変なんです。  はしかで療養中の学生諸君、大丈夫、絶対に治るよ。永遠に続くなんてことはないよ。
DON’T TRUST OVER THIRTY / HQCD ムーンライダーズ
PONYCANYON INC.(PC)(M)
2009-03-18
ムーンライダーズ

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posted by つむ at 11:00

実家に眠っていたムーンライダーズ

 久しぶりに実家に帰っている。  このところすっかりムーンライダーズ「アンソロジー」ばっかり聴いている状態の私。近いうちにオリジナルアルバムも買い揃えるつもりでいるんだけど。  さて、関連書籍も買ったり借りたりしながら「むほむほ読んでいる」(←夫の造語。一心不乱なさまを表した擬態語)わけだけれど、ムーンライダーズはメンバー6人全員が優れたミュージシャン、プロデューサーであるわけで、スタジオミュージシャンとしても引っ張りだこなんですよね(「スタジオ・ミュージシャン」という名曲もある)。そういった各人のワークスも各誌で特集されているんだけど、なぜかあまり触れられないのが、「しょこたんのお父さん」こと中川勝彦氏の作品。  まあ、私も2枚しか持ってないからえらそうなこと言えないけれど、2枚とも単なる美少年アイドルポップスの域を超えたかっこいいアルバムなんで、評論家の皆様方にはぜひ見知っておいていただきたいなと。  ファーストアルバム「してみたい」(←すごいタイトルだな)は、一曲を除く全曲を白井良明氏が編曲(あとの一曲は橿渕哲郎氏。ついでに作詞作曲も)。全曲で良明氏のギター、ほぼ全曲でかしぶち氏のドラム、5曲で岡田徹氏がキーボード、武川雅寛氏もコーラス、ヴァイオリン、トランペットで参加と、あれまあ鈴木兄弟以外全員参加!?   サードアルバム「ペントハウスの夏」はといえば、良明氏作曲・編曲・演奏2曲、コーラス1曲、鈴木博文氏作詞2曲、初代ギタリストの椎名和夫氏コーラス1曲! と、こちらも濃いです。個人的にはこのアルバムが大好き。シングルにもなった良明氏作曲「Skinny」は、その妖しくもくすぐったいメロディとサウンドが勝彦氏の当時の魅力を端的に表現することに成功。博文氏作詞「BLUE」は、親友の恋人への思いを胸に秘めつつ、恋よりも友情を選ぶという博文氏らしい切なくも男気ある歌詞がまた、勝彦さんの男っぽい一面を引き出すことに成功してるんだな。  てなわけで、生まれてこの方32年、ほとんどムーンライダーズのサウンドに触れずに来てしまったと思いきや、ライダーズ・エッセンスは知らないうちに私のCDボックスの中に染み込んでいたんだね。  他にもライダーズのメンバー参加の音源ないかなー、と探してみたけれど、スピッツ「愛のしるし」(良明氏プロデュース)、ZELDA「空色帽子の日」(これも良明氏プロデュース)、筋肉少女帯「日本印度化計画」(これもかい!良明氏プロデュース)しか見つからなかったorz しかし良明さん多いなあ。  こうして5月下旬の穏やかな休日はゆっくりと過ぎていく。 花鳥風月
花鳥風月
posted by つむ at 14:45

ロック画報 特集:ムーンライダーズ

 夫が愛兎Uの介護のため実家に帰り、私も留守番やそうじに飽きて、神戸ハーバーランドへふらっとお出かけした。  コムサストアにて服を買いまくり、これから元町や三宮に行くには時間が半端だな、ということで、エコールマリンにだけ寄って帰ることにした。  3Fのヴィレッジヴァンガードに入り、なんかいい本ないかなあと音楽関連の本棚を見上げた私の目に入ったもの。それは、「ロック画報」のムーンライダーズ特集だったのでありました。  しかも脚立によじ登って手にとって見たらば、6年も前の発行じゃないか。  こんな誰も買わんレアなアイテムがあるなんて、ヴィレッジヴァンガード神戸ハーバーランド店は偉い! さっそくお買い上げ。CDつきで1,700円。  さてその中身、こないだ図書館で借りたミュージックマガジンの別冊「ムーンライダーズの30年」と同じように、ざっと歴史が語られてたりアルバムレビュー、メンバーそれぞれのソロワーク、プロデュース作品などがあったりって感じなんだけれど、どうもデビュー当時の回顧的な記事が多くて、彼らの「今」(といっても2001年当時になるんだけど)を知りたい向きにはいらだたしい感もあるかもね。  それにしてもプロデュースやCM、映画仕事が多いですね、この人たち。「きいてアロエリーナ♪」も「ドコドコドコモダケ♪」も堀ちえみ「WA・ショイ!」も「神田川」のイントロも「もしも私が建て替えるなら、妻が喜ぶ家♪」も、気づかぬうちに私たちの日常にライダーズ・エッセンスがしみこんでいるわけだ。  付録のCDはライブ音源がメイン。まだ聴いたことない曲「あの娘のラブレター」に加え「くれない埠頭」「ヴィデオ・ボーイ」など6曲くらいが収録。でも……正直な感想書いていいすか? お歌が……。「くれない埠頭」の歌詞を忘れないで下さいよ、せっかくの名曲が……。  ともあれ、これから先この本をバイブルに、ムーンライダーズの音源を少しずつ集めて行きたいと思っている。お金が許せばの話だけど。 ロック画報 (06)
posted by つむ at 20:47

ムーンライダーズ「アンソロジー 1976-1996」

 先日図書館で、ミュージックマガジン誌の特別編集本「ムーンライダーズの30年」というのを借りた。  正直、ライダーズさんの弟バンド(?)であるカーネーションに関してはファンクラブに入るほどの大ファンなんだけれど、ライダーズさんのCDは「Bizarre Music For You」とこのベスト盤「アンソロジー」しか持っていない、まだまだ薄いファンである私。  だからこういう本を読む資格自体本当はないのかもしれないし、ましてムーンライダーズについてブログを書くなんて……。  いや、そういう考え方はいけない。そもそもそういう、われわれリスナーが勝手に抱いてしまう「ムーンライダーズに対する敷居の高さ」が、この日本最古の現役ロックバンドを現在に至るまでカルトバンドにしてきてしまったのではないのか。  確かに、手軽に聴ける音楽ではないかもしれない。でも、あれこれ考えながら、集中しながら、脳みそをフル回転させながら音楽を聴くという体験は(それも今の日本のロックやポップスで)ムーンライダーズでしか出来ないと思うし、そういうことだって大事なんじゃないか。ぼーっと音楽を流して「あー癒された」という音楽の聴き方もありだとは思うけれど。  2枚組。1枚目はごく初期の作品集で、時代を感じさせるサウンドにかえって新しさを感じてしまうのは私だけ? 2枚目は当時の最新アルバム「Bizarre…」までの作品集なんだけれど、1枚目に比べるとずいぶんビビッドに元気になっているように思う。ライブヴァージョンで収録されている曲もあり、意外にも(失礼)ガンガンに派手に盛り上がっていそうな印象(「Frou Frou」のギターソロのかっこいいこと!)。私の大好きな「BEATITUDE」もライブヴァージョン。思わず会場にいるつもりで大合唱。  確かに、ヒット曲はない。聴いたことがあるような曲もない(またも失礼)。しかし、ムーンライダーズでしか得られない、痒いところを掻いてもらうのではなくくすぐられるような、屈折した快感がここにはギッシリ詰まっている。そしてこのバンドが30周年を迎えることができた事実は、そっくりそのまま、そういう種類の快感を求めている心あるリスナーが日本中でひっそり存在しているという事実をも示している。おしゃれなレストランやビーチやゲレンデを知らなくても、人より幸せがちょっと足りなくても、ムーンライダーズがなくちゃ生きていけない、そんな人々が確かに生きているのだ。
アンソロジー 1976-1996
メディアリング
1998-05-02
ムーンライダーズ

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posted by つむ at 18:56