私と音楽―CDウォークマン編―

大学は外国語大学だったので、必然的に「洋楽が好きで英語が好きになった」「洋画が好きで英語が好きになった」というような学生が周りにいっぱいいて、私も洋画をいろいろ見てみたり、友人が貸してくれたクイーンのアルバムを聴いてみたりしたけれど………
 ごめんなさい。
 今の今に至るまで、なぜか洋楽が好きになれないのである。

 原因を自分なりにいろいろ考えてみたりもした。
 「歌が上手すぎて隙がないから」「演奏が上手すぎて隙がないから」「本当は英語より国語の方が好きだから」「ぶっちゃけ何を言ってるかわからないから」「訳詞が気取っていて好きになれないから」etcetc………
 今でもはっきりした理由は分からない。
 高校時代の私を知ってる人は「え? つむさんってビートルズのファンじゃなかったっけ?」と言うかもしれないが、あれは世を忍ぶ仮の姿。
 確かにビートルズのアルバムはよく聴いていたが、そこから発展して洋楽をより幅広く聴くという展開にはならなかった。もっと洋楽をよく聴いていれば、英語の成績ももっと上がっていたかもしれないが……。

 まあそれはさておき、キャンパスに洋楽が溢れる中、私は当時流行っていた渋谷系を中心に相変わらず日本のロックを聴いていた。
 高校時代から好きだった「詩人の血」、レピッシュ、コーネリアス、小沢健二、サニーデイサービス、スピッツ、カーネーション……。
 中でも大学時代最大のトピックといえば、現在に至るまで愛し続けているバンド、カーネーションに出会ったことであろう。
 「カーネーションっていうバンドが好きで」と言うと、よく「ああ、スウェーデンの」とよく返されたものだ(それはカーディガンズや!)。
 カーネーションがどんなバンドなのかは、ブログにも散々書いているので参照していただくとして、生まれて初めて自分のお金で、自分でチケットを買って行ったライブが、カーネーションの心斎橋クラブクアトロ(1996年10月)だったのである。
 就職活動へはウォークマンでカーネーションを聴きながら出かけた。
 就職して大阪で一人暮らしを始めてすぐ、ファンクラブに入会した。
 絶望と失意にまみれて故郷に帰ってきた時も、地元で細々と働き始めた時も、結婚して再び実家を離れてからも、母親になってからも、再就職した現在も、常にカーネーションの骨太で滋養あふれるバンドサウンドが手元にあった。
 そこからいわゆるメトロトロン人脈を聴くようになり、だいたい現在の私を形づくる音楽が出そろったわけである。

 リモコン無しのウォークマンは10年くらい使用した頃に突然うんともすんとも言わなくなり、リモコン付きウォークマンに買い替えた。  
 ちょうどその頃、兄からCDウォークマン(ソニーのディスクマン)を譲り受け、眠れない夜にボサノヴァを聴いたりした。
 結婚して夫が持ってきたミニコンポは、子どもが小さい頃は童謡のCDをかけるのに大活躍した。

 そして現在は、ビクターのALNEOという(今は無き)DAPに、PCから音楽を取り込んで聴くという状態になっている。
 このALNEOという機種、音は素晴らしく良いしFMラジオも聴けるし、とにかく最高のDAPだと当時は思っていたけれど、なぜか電源が勝手に切れてしまうなどのトラブルが多く、修理に出したりもした。
 それでも乾電池で聴けるという便利さは捨てがたく、乾電池のふたが壊れてしまった今も変わらず使い続けている。
 今ではスマートフォンで音楽を聴く人が圧倒的多数になり、DAPといえばiPodとウォークマンの2強に絞られてきてしまったが、ビクターさんにももう一度奮起してもらいたいものである。
 
 つらつらと思い返してみて、現在に比べて若い頃はなんと熱心に音楽を聴いていたことだろうと痛感する。
 今なんて、CDも一年に一枚買うか買わないか(毎年5万円分もCDを買っていた頃もあるというのに…)。
 好きなアーティストの新譜を買っても、聴かずに積読ならぬ積聴してることも増えた。
 DAPを聴いていても、他のことをぼんやり考えてしまい、純粋に音楽に集中する集中力が衰えてきた。
 配信もいまだに買ったことがないし、ウォークマンに入っている音楽をBluetoothでコンポに飛ばせるんですか、今って? なんかそのあたりも全然ついていけてない。
 あんなに音楽がすべてで、服もコスメも買わずにCDばっかり買っていた時期もあるのに、今は目先の現実的な事象にあたふたしているうちにばたばたと日々が、そして年月が過ぎて行ってしまっている。
 それが大人になるということなのか。

 時間が許せば、のんびりCDショップに出かけてみたいんだけど……。

 大学4年から就職にかけての私を支えてくれた超名盤。
 EDO RIVER(Deluxe Edition) - カーネーション
EDO RIVER(Deluxe Edition) - カーネーション