村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」

 私のことを大学くらいから知っている人は意外に思うらしいが、小学校時代はなぜかマラソンだけは速くて、マラソン大会では常にひとケタ台だった。
 勢いあまって中学校で陸上部に入部してしまい、どういうわけか駅伝のレギュラーなんぞにも選ばれたりした。
 まあ、たまたま人よりほんの少し速かったに過ぎず、思い入れもなかったので、高校からは陸上とは全く縁のない生活になったものの、大人になって、むくむくと「走りたい病」に襲われて、結婚したばかりの頃、夫と二人で近所の大きめの公園の外周を競走し、翌日発熱したりもした(これはいまだに夫に笑いのネタにされている)。

 そんな中途半端な元ランナーの私が、再び「走りたい病」の発作を起こしたのは、この本がきっかけ。
 村上春樹氏がマラソンを走っていることは以前から知っていたが、トライアスロンにまでトライしていたとは、、、
 夏はトライアスロン、冬はフルマラソン、それらの大会に備えて毎日のランニングと筋肉のメンテナンス、もちろん小説の仕事もしながら……どれだけ忙しいんだろう。
 しかし、春樹氏が大ベストセラー作家としての日々、心身共に「ぶれる」ことがなかったのは、「走る」ことが生活の柱になっていたからだということがよくわかる。
 どれだけ仕事が忙しくても、海外に移住しようとも、とにかく毎日1時間、走ることだけはやめない。 仕事も午前中に済ませて、夜はさっさと寝てしまう。 作家にありがちなナイトライフで体を壊すようなことは絶対にない。 こういう生活を何十年も続けていることが、作家・村上春樹の芯になっているというわけなのだ。
 走ることはもちろんつらい。 呼吸が苦しくなるのは当然ながら、体中がばらばらになりそうなくらいつらい。 それでもある種の人は走り続ける。 走った先の何かに出会うため。 その先の自分を見るため。 ただ単に楽しいから?

 で、この本に感動した私は、よせばいいのに駅から家まで1kmの距離を走って帰ってみた。
 なんとまあ、1km走り切ることさえもできず、途中で何度も止まって歩いてしまった。
 帰り着いてからもとにかく体中がしんどくて、一日くらい使いものにならなかった。
 陸上部時代は5kmぶっとおしで走るくらいなんでもなかったのに…。
 ブランクってこういうものなのかと愕然。
 でもいつか、きちんとトレーニングを積んで、何らかのレースに出てみたい、そんな夢を持っている。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
文藝春秋
村上 春樹

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持続することが大事だ ...
やはり、いいな?村上 ...
マラソンに興味のない ...
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