ミュージック・マガジン11月号

花の82年組ではなんといっても中森明菜推しだった私にとって、小泉今日子は「かわいいけど、歌が……」という感じだった。  でも、そのあり方、生き方、考え方には憧れる。  アイドルって思ってたよりつまらない→やめちゃおう→ただやめるのも何だから、何かすごいことをやってからやめよう→事務所に無断で髪を刈り上げる→人気が出てしまう、という伝説がキョンキョンにはあるが、十代の子にそんなスケールの大きい発想ができたことがまずすごい。  本誌のインタビューによれば、事務所的にこういう仕事をしてほしいというのはあるだろうから、それは仕事として割り切ってやる、でもその代わりとして自分のやりたいこともさせてもらう、という、当時のアイドルとは思えない交渉力もあったキョンキョン。 時代を読んだ自己プロデュース能力、アイドルとしてのプロ意識の高さ、そしてやはり最強の小顔と日本美人なルックスで、現在も女優として歌手として文化人として第一線を走っているキョンキョン。 やっぱりかっこいい。 憧れてしまう。  私がもしアイドルになっていたら、周りの言いなりになって右往左往、結局一年ももたずに引退していただろうな。  私なんか100回生き返ってもあんなふうにはなれない。  ぐじぐじしてなくて、さっぱりしてるのに冷たさもなく、アイドルなのにコテコテの専業主婦役もなぜか似合ってしまう。  本誌はそんなキョンキョンの魅力プラス、彼女と同時代を生きた82年デビューのアイドルたちの名盤も紹介している。  私は実は表向き明菜ちゃんファン、心の奥では北原佐和子ちゃんもかわいいなあと思っていたのだが、youtubeで生の歌を聴くと……うおうこれはなかなかです。   でも、当時のアイドルたちってこんな感じの人も多かったよなあ。 今のアイドルって歌唱力は確かに向上してるんだろうけれど、その辺でカラオケしてる子を捕まえてきたレベルのが多くて、アイドルとしてこちらをハッとというか、ドキッとさせる神々しいものが感じられる子が少ない。 昔のアイドルはおいそれと触れられないオーラが……なんだか年寄りになってきたのでこの辺で。  年寄りといえば、まさかの21年ぶりの新譜をリリースしたばかりのGRANDFATHERSも載ってるよ!  1999年の再結成ライブにわざわざ一泊ホテルを取って近畿の山奥から渋谷まで見に行った者としては、3人がいい感じで熟成されているのがすごく感慨深い(ミュージシャンとしても、見た目も)。  キリンジの新譜もすでにレビューされてるのか……。 もう少し大きく取り上げてほしいものだなと常々思ってるんだけど、このたびはああいう発表もあったことだし、そのうち表紙巻頭特集とは言わないまでも、第2特集くらいで、「さよなら二人のキリンジ」というような記事を読みたいところだ。
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 11月号 [雑誌]
ミュージックマガジン
2012-10-20

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posted by つむ at 10:06

ミュージックマガジン2月号 特集は「さよならムーンライダーズ」

 宝塚歌劇の雑誌「歌劇」風にいえば「ムーンライダーズサヨナラ特集」とでもいうことになるのだろうか。  いまだに多くのファンが信じられずにいる、ムーンライダーズ無期限活動休止。  その謎を解き明かす特集……というわけではあまりなくて、昨年12月のライブの模様、そしてゆかりのアーティストやライターたちによる思い出話……というような内容になっていて、正直「もっと今の状況を突っ込んで論じてくれないものだろうか」「メンバーのインタビューが誰ひとりとして無いのはやはり寂しいし、特集記事としても半端なのでは」と思わずにいられない。  そんな中、「この一曲と、わたし」と題された特集には、あがた森魚、岩井俊二、サエキけんぞう、直枝政広、PANTAといったゆかりの人々が選ぶムーンライダーズの一曲と思い出が語られていて、読者も思わず「私にとっての一曲は……」と脳内で選曲作業を行うのではないだろうか。 実際、twitter上には、「ムーンライダーズこの一曲と私」というようなハッシュタグが存在する。  あまりにも突然の活動休止宣言。 正直なところ、現段階ではメディアも周辺人物もファンもその事実を受け止めるので精いっぱいで、冷静に論じるところまでいっていないのだろう。 とりあえず自分にとってのムーンライダーズの思い出を総括することくらいしか今はできそうにないのだ。  というわけで私も、この場をお借りして、自分とムーンライダーズとの出会いからちょっと振り返ってみます。  「名前は知ってるけど……」くらいの存在でしかなかったムーンライダーズのアルバムを初めて買ったのは1999年か2000年くらいのこと。 カーネーション直枝氏参加の「僕は負けそうだ」目当てで買った「BIZARRE MUSIC FOR YOU」が、私にとっての初ムーンライダーズだった。 「僕は……」もさることながら、「BEATITUDE」をはじめとして、年齢相応の苦みや傷みを持ちつつもはじけまくるおじさまたちの姿に衝撃を受けたのだった。 その後、ベストアルバム「アンソロジー」にも楽しませてもらったりしたものの、私事でいろいろあったためしばらくムーンライダーズとは疎遠になった。  ふたたび何の脈絡もなくムーンライダーズ熱に火がついたのは2007年。 とにかくアルバムを入手できる限り買いまくった。 2007年という年は盲腸、妊娠、退職と激動の年だったのだが、そんな日々をタノシクしてくれたのはなんといってもムーンライダーズの作品たちであった。 その後、現在に至るまで、私を、そして3歳の息子をも(!)楽しませ、唸らせてくれるムーンライダーズ。  名曲だらけのムーンライダーズの曲の中で、私の中での№1を選ぶのは難しいが(というかいまだに入手できていない作品もあるし……)やはり最初の衝撃という点で「BEATITUDE」を挙げてしまう。 ♪夢の数だけなら負けはしない キズの数をかぞえたら十万億 とどけよBEATITUDE カルマにまみれて♪ こんな自虐的な歌詞をあんな元気な(でも少し枯れた)サウンドに乗せて、おじさま5~6人で合唱するバンドってそういない。 炸裂するギターもすごい。 この曲は私のようなひねくれ者にとって最高に「元気が出る」曲だ。  うーんでもやっぱり「くれない埠頭」も、いややっぱり「ボクハナク」でしょう、いやいや「湊町レヴュー」も、いや待て待て「工場と微笑」も……と、やはり一曲どころか次から次へと好きな曲が出て来て困ってしまうのだ。 それが35年の歴史というものでしょう。
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 02月号 [雑誌]
ミュージックマガジン
2012-01-20

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posted by つむ at 14:36

「ムーンライダーズの30年」

というわけで、ムーンライダーズ突然ともいえる無期限活動休止宣言に驚いたり落ち込んだりしてるファンの皆様も多いことかと。  私はたかだか5~6年前からのファンなので、30年以上追いかけているファンの方々の足元にも及ばないわけだけれど、それでも特に70年代から80年代の作品を中心に現在進行形で愛聴中なので、やはりショックである。  そんなわけで再読しているのがこれ。  この本の存在を知ったのは4年前の夏。 近所の書店にはなかったので、わざわざ取り寄せてもらったのを覚えている。   これは2006年、ムーンライダーズデビュー30周年を記念してミュージックマガジンから増刊という形で発行されたもの。  やはりずっとムーンライダーズを追い続けてきた雑誌だけあって、ひとことでいうと濃い。  メンバーへのインタビュー、全作品解説、ソロワーク解説、ヒストリーなどはもちろんのこと、周辺人物(大瀧詠一、あがた森魚、スタッフなど)のインタビューや寄稿、過去にメンバーがミュージックマガジン誌に寄せた原稿、などなどなど、2006年までのムーンライダーズのすべてがこれ一冊でわかると言っても過言ではないかもしれない。  私のような新参者もいいところのファンとしては、これをバイブルのようにして旧作を集め、聴き続けたものだ。    今回の事態を受けて、どうかこの、稀代の長寿&モンスターバンドの35年をまとめた本を、ミュージックマガジンさんでもいいですし、レコードコレクターズでもストレンジデイズでもロック画報(今もあるんかな?)でもいいですので、なにとぞなにとぞ、出版していただけないでしょうか。  音楽はもちろん素晴らしいし面白いのだけれど、それにもまして、「読む」ことですごく刺激を受けることができる、そんな稀有なバンドなので。
posted by つむ at 15:19

「ミュージックマガジン」10月号 ついにキリンジ特集が来た!

 最近のミュージックマガジンはどうもキリンジに冷たいような……と思わないでもなかったので、なんとまあ、表紙巻頭大特集とは、不意をつかれて驚いた。  内容は、二人へのロングインタビュー、アルバム評、歌詞論、シングル評、他アーティストへの参加作品、などなど。  てんこ盛りで嬉しい! と言いたいところだけれど……。    どうも、「渋谷系」「ポスト渋谷系」という言葉が多用されているような気がする。  確かに、渋谷系が下火になった1998年にキリンジがデビューしたわけだし、デビュー当時は「渋谷系を通過してきた」と思われても仕方がないようなサウンドとかアートワークでもあったことは事実だけれど、本人たちは言うまでもなくそこまで渋谷系を意識したアーティストではないし、デビュー当時からとにかくその楽曲の純粋な美しさやヴォーカルの魅力が際立っていたわけだし、渋谷系っぽいイメージからはかなり早々に脱却して唯一無二のサウンドを確立したわけだから、渋谷系渋谷系っていうのもなんだかとても違和感がある。 本人たちもインタビュー受けながら内心困惑していたのではないだろうか。  あと、キリンジのターニングポイントがシングル「エイリアンズ」のスマッシュヒットであることも事実かもしれないけれど、どうもここでライターさんたちの意識も止まってしまっている感が否めない。  私たち昔からのファンもだけれど、セルフプロデュースになってからのファンの人は特に、「今」のキリンジをもっと論じてほしかったと感じるのではないだろうか。  周辺のアーティストなどとも比較しながら、キリンジが登場した意味、存在し続けている意義のようなものをもっと深く掘り下げてほしかったと少し残念な感じがした。  まあ、これは10年もキリンジをほぼリアルタイムで聴いてきた者の贅沢な不満かもしれない。 「○○も××も好きだけどキリンジも好きです」というような人には楽しく読める特集になっていると思う。
MUSIC MAGAZINE ( ミュージックマガジン ) 2010年 10月号
ミュージックマガジン
2010-09-18

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posted by つむ at 22:00

「ミュージックマガジン」12月号・特集は「追悼・加藤和彦」

 加藤和彦と聞いてどんな曲を思い出すかは、世代にもよるし音楽の好みにもよるだろう。  フォーク、ロック、ニューミュージック、ポップス、アイドルポップス、さまざまなジャンルにおいて才能を発揮しまくった才人だから。  私個人としては、真っ先に思い浮かべるのが、中川勝彦のシングル「ナンシー・Chang!」だったりする。  安井かずみとのゴールデンコンビで、いかがわしくてきらびやかでポップで、中川勝彦の魅力の一端を思いきり鮮烈に切り取った名曲だった(しょこたん、カバーしてくれないかなぁ)。  当時のアイドルの曲で、ちょくちょく「作曲:加藤和彦」の名を目にすることがあったけど、どの曲もさりげなくおしゃれだったり、かと思うとじんわりしみてきたり、一筋縄ではいかない作曲家さんだなとは子供心にも感じてたんだけれど。  今でも時々テレビで見かける人だっただけに(「ミュージックフェア」とか)、亡くなったとはにわかに信じられなかった。  天国よいとこ…なのだろうか?    今回はもちろん、カーネーションの記事もあったから購入したんだわ、この雑誌。  矢部浩志氏が脱退という、信じられない悲劇に見舞われた今年のカーネーション、そしてファンの私たち。  直枝氏も心身ともに極限状態、そしてそれを傍で見ている大田氏ももちろん辛かっただろうとは想像に難くない。  そんな中、多くのミュージシャンのサポートを得て、まさしくロックゾンビのごとく、こんな状況下でもニューアルバムを発表してくれるカーネーションである。  Myspaceで試聴できるので興味のある方は聴いてみてほしいのだが、そんな暗い背景が感じられないくらい、風通しがよく、良い意味で軽い音に仕上がっている。  ある意味、いつもの直枝印なのがうれしい。  記事にも「深読みしないで、純粋に音楽として楽しんでほしい。そういう環境を整えるために頑張ってきたんだから」というような発言があった。  その通り、何も考えずにいつものカーネーションのアルバムを聴くつもりで、買って聴こうと思っている。  「Velvet Velvet」明後日リリースである。
posted by つむ at 22:52

「ミュージックマガジン 4月号」表紙は電気グルーブですが、キリンジの記事もあります

 「ミュージックマガジン」誌にやっと、キリンジが帰ってきた。  いつもアルバムレビューはあるけれど、その扱いも作品を重ねるごとに小さくなっていってたし(仕方ないかなと思える作品もあったけど)、もっと大きく取り上げてほしい…と、歯がゆい思いをしていた私。  今回、アルバム「7」の発売により、ほんとうに久し振り(「3」以来じゃないか?)に、キリンジのインタビュー記事を読むことができた。  「渋谷系」が下火になり、宇多田ヒカルやMISIAなんかが出てきた10年前、1998年にデビューしたキリンジ。  「70年代っぽい」「喫茶ロック」「インテリ向け?」みたいな余計な誤解も受けつつ、自分たちの好きな音楽を純粋にやってきたという過程を語ってくれている。  今回のアルバムの評価もまずまずだし、ほかにも鈴木慶一+曽我部恵一などの記事もあって、私的には楽しめた今月号である。  さて、この辺でちょっと近況報告。  私はついに来週から臨月という状況に突入します。  おなかの中のもう一つの人格は男子であることもわかり、男子らしく暴れん坊に、食いしん坊に成長しつつあります(料理中に大暴れする)。  そんなわけで買い物も困難になり、日用品や今回の雑誌、CDなんかもネット通販に頼りっきりです。  そんな時に限ってリリースラッシュなんだよなあ。  ブログは体調の許すかぎり更新するつもりでいますが、たぶん5月になると一ヵ月間更新がないと思います。  それまでなるべくまめに更新しますのでよろしくです MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2008年 04月号 [雑誌]
posted by つむ at 16:23

ミュージックマガジン2月号 特集は「曽我部恵一とサニーデイ・サービス」

 サニーデイ・サービス。  「GB」誌におそらく初めて載った時の短いインタビューを読んだ時から、私の中で彼ら(というか曽我部)に対する反感はしばらく続いていた。  「今の曲は『そんなメッセージ伝えてくれるな』って感じのメッセージばかりだ」「僕らが一番すごい」「こんないい曲書ける奴どこにもいない」「スピッツなんか目じゃないね」みたいな発言が目立っていた頃だ(スピッツファンだった私はかなりカチンときた)。  いったいどんな不遜な奴なんだろうと思ってたら、そのスピッツのマサムネさんのラジオ番組にゲストで登場した曽我部は驚くほど腰が低く、むしろ「すいませんすいません」キャラだった。マサムネさんもどちらかというとすいませんキャラなのでその日の放送はなんだか聞いてて微笑ましかった。そしてそこでかかったサニーデイの「あじさい」があまりにも素晴らしく、衝撃のあまり速攻アルバム「東京」を買いに走ってしまった私なのだった。  時がたつにつれて、デビュー当時のビッグマウスは影を潜め始め、むしろ「自分は小沢健二みたいにはなれないし、楽しいことがあっても翌日にはすぐ暗いことを考えてしまう」というような弱気な発言が目立つようになる。そしてアルバム「MUGEN」の頃の「ロッキンオンジャパン」のインタビューでは徐々に綻びを見せ始めたバンドの内情を苦しげに語り、ついに解散となる。  「ミュージックマガジン」2月号でもその辺りのことは少しだけ語っている。4枚目のアルバムまではメンバーのコミュニケーションもよくて楽しかったこと。バンドをいい状態で続けていくことの難しさ。しかしやはりそれ以上に、現在ソロアーティストになり、レーベルオーナーになり自分の店も作り父親になり、といった、内省的だった一人の青年が闘う男になった、そんな逞しさを感じることができるインタビューである。  もうすぐサニーデイを聴くにはちょうどいい季節(いや、いつ聴いても素晴らしいんだけど、とりわけ春先に聴きたいと個人的に思うわけで)。本誌を片手にミルクティーをもう片手に、「若者たち」から聴き直してみようかな。 MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2007年 02月号 [雑誌]
posted by つむ at 20:10