新生KIRINJI、ついに音源発表!

 兄弟デュオから6人バンド編成へと衝撃の大変身を遂げてから、一年ほどたったのだろうか。  兄こと堀込高樹氏が率いる新生KIRINJIの音源がついに、私たちにも届けられた。  「進水式」。 まさに門出にふさわしいタイトルではある。  某所では何やら、全員横一列に並んで歌うのがミュージカルみたいで嫌だとか、あまり評判がよろしくないようだ。  とある映画(上映予定はないらしいけれど)の主題歌だそうで、KIRINJIというバンドのPVというよりは、その映画のプロモーションも兼ねたようなPVになってしまっていて、そのあたりファンの不満が渦巻いているようだ。  でもこちらとしては知りもしない映画とのコラボと言われても、だからといってさほど違和感は感じないんだけど。 私が鈍いのかな。  ともかくも、見慣れた高樹氏に、見慣れない女子2名、どこかで見たような男性3名、がプラスされ、なんだか見ているだけで新鮮で楽しめる。  そう、どこかで見たような男性の中に、くじらのドラムス・楠均氏。  先ごろ、くじらの超名盤「パノラマ」「たまご」が、予約数が規定を満たしたとのことで、めでたくソニーの廃盤再発プロジェクト(? そういうサイトがあるんだけど正式名を忘れた。申し訳ない)より再発が決定したばかりだ。  KIRINJIのドラムスとして再出発を果たした楠氏を応援するのはもちろんのこと、往年のくじらファンの私としては、こちらの名盤もゲットせずにはいられない。  KIRINJIファンにもぜひくじら聴いてほしいな。
posted by つむ at 10:57

キリンジ、いやKIRINJI、6人編成で再始動!

 というわけで、いやー驚いたなんてもんじゃないでしょう。  堀込泰行氏の脱退のショックも冷めやらぬこの7月18日、ついに、注目されていた今後のKIRINJIの体制が発表された。  http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0718/ori_130718_4752517675.html  なんじゃこれは???  公式サイトで6人組KIRINJIの写真を見て唖然とした人も多いと思う。  兄弟2人組から、女性二人を含む6人バンドに変わるって、すごい違和感が(まだ音を聞いてない段階で言うのも何だけどとりあえず見た目は)……。  千ヶ崎学氏、田村玄一氏は、青山陽一氏のバックバンドthe BLUEMOUNTAINSのメンバーとしてもなじみがあったし、楠均氏は、私が一時期はまっていたくじらのドラマーだった方。  それぞれ近年のキリンジにも参加している人々だったので、ファンにとってもすんなり(?)受け入れられると思う。  弓木英梨乃ちゃんという人は、高樹氏のプロデュースでリリースしたシングル「RIVER」が「世界ふしぎ発見!」のエンディングテーマになったこともある、まだ20代の女性(見た目は一番違和感があるけど)。  コトリンゴは既にキャリア十分のミュージシャン。  というわけで、それぞれのメンバーにすでに固定ファンがいる状態でのこの発表。  私たちキリンジファンは、いわば「受け入れる側」であり、「○○さん、ようこそKIRINJIへ。これから高樹氏をよろしくお願いしますね」という感じだけど、新メンバーそれぞれのファンたちは、入っていく側なわけで、これから○○さんのことを「KIRINJIの○○さん」と呼ばなきゃいけないの……?と、かなり葛藤があるんじゃないかと心配してしまう。  私だって、「くじらの楠均さん」ともう30年近く思ってたのを、いきなり「KIRINJIの楠均さん」と呼ぶのって……。  なんか30年くらい日本のロックファンやってると、面白いこともあるもんだなーと思ってしまう。    最近ではそれぞれのメンバーがtwitterやってたりするから、心境を垣間見ることもできたりして面白い。  「やっぱり反響大きいね」とひとこと淡々としている玄さん。  「音楽界に引っぱりこんだのは俺なんだから、バームクーヘン持って来い!」と言うノーナリーヴス西寺郷太氏に「菓子折り持っていきます!」と答えてる千ヶ崎さん。  「ええっ! 今日会ったけど言ってなかったなあ」と素で驚いている杉林恭雄氏(くじら)。  まさに日本ロック界を今年一番揺るがす出来事のひとつかもしれない。  一方で、これでもう完全に堀込兄弟のキリンジは終了したんだなと寂しくもあり。  私のDAPにいまだに大量に入っているキリンジの、ヤスの歌声を聴くと「このキリンジを知らないKIRINJIファンがこれから増えて行くのか……」とすごく不思議な気持ちだ。  ヤスもこれから堀込泰行としてなのか「馬の骨」としてなのか分からないけど音楽活動は続けて行くわけだし、キリンジファンとしてはその両方をしっかり見守るだけである。  KIRINJI、とにかく話題性だけじゃなく音でガツンと楽しませて納得させてほしい。 期待大である。
posted by つむ at 16:15

キリンジ「SUPER VIEW」

 というわけで、衝撃の泰行氏脱退発表から半月が経過した昨年11月7日、キリンジのニューアルバムが届けられた。  なんでこのタイミングで……? たまたまなんだろうけれど、どの曲を聴いても、どうしてもそのことが頭にちらついてしまう。 タイトルは「SUPER VIEW」。 キリンジの二人が到達した音楽の山頂からの眺め……ということのようだが、確かに見晴らしのいい、穏やかな曲が並ぶ。  反原発ソングをあのキリンジが!?ということで話題になった「祈れ呪うな」が辛うじて険しめの山という感じで、あとはなだらかな丘を登るような曲が多い。  賛否が分かれる作品だろうとは思う。  某巨大掲示板でもいろいろ議論になっていた。  我々古参のファンはどうしても、デビューから5作目くらいまでのきらびやかな、流麗な、あるいは都会的な、ポスト渋谷系的な、そんなサウンドを忘れられず、近年の彼らのサウンドがどうにもゆるく感じてしまうという人も多い。  確かに今作も、「これが生のストリングスだったら……」「もう少し鋭いリズムだったら……」と思わずにいられない部分も多い。  どうしても、「もうこれ以上二人ではできません」という雰囲気を感じてしまうのだ。  そんなこと思っちゃいけないのかもしれないけれど。  もうリリースから2ヶ月も過ぎたというのに、どうしてもレビューを書くことができなかったのは、いろいろ忙しかったというのもあるけれど、どうにも今作に関してはもろ手を挙げて共感できないというか、どう評価していいものやら見当がつかなかったというのが大きい。   そうそう、今作のお楽しみといえば、ブックレットの写真でしょう。  かつてはこれくらいの遊び心があったように思うけれど、最近は薄らいできていたので、今回のブックレットのコンセプト=トレッキング?にはほのぼのした。  キリンジの二人が山を行く。 片方が片方を引っ張り上げる手のアップ、山頂で泰行氏にお茶を注いであげる高樹氏……など、今こういう状況だから余計に来るものがあるのだ。  日本コロムビアの公式サイトにて、ミズモトアキラ氏によるキリンジインタビューがあるので、こちらも要チェック。  40になっても家庭を持つわけでもなく悶々と惑いまくり……という泰行氏に、高樹氏「今のご時世、40にして悶々は普通だよ」  「40にして悶々」っていいなあ  今のご時世、50にして天命を知る、ならぬ、「50にしててめえを知る」って感じのような気がする。 50歳くらいになってやっと、自分が何者か、いかほどの人物かを思い知るような。  なんかキリンジと関係なくなってきたけど
SUPER VIEW (初回盤)
日本コロムビア
2012-11-07
キリンジ

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posted by つむ at 14:06

キリンジ・ヤス、脱退!! 

兄弟ユニット・キリンジ、弟の堀込泰行が来春脱退 - BIGLOBEニュース  はぁーーーーーーー……。 やはりガセではなかったのね。  10月1日頃、2chのキリンジスレッドに衝撃が走った。   キリンジの弟ことヤスが脱退すると、ファンクラブ会員のみに通知があったというのだ。   ついで、twitterでも大騒ぎになった。  FCに通知ということはマジなんだろうな、という気はしたけれど、信じたくなかった。  2009年、カーネーションの天才ドラマー・矢部浩志氏が脱退。   2011年、日本現役最古のロックバンド・ムーンライダーズが無期限活動休止。   それらショックな知らせにさらに追い打ちをかけるような、なんで私にだけこんな仕打ちが……(ファン層が少しかぶってる気がするので、同じように感じている人もいるでしょう)というような、こんな事態、信じられるわけがないでしょう。 でも、やはり本当だった。  絶望的な気分になりつつ、youtubeなどで改めてキリンジを聴き直したりした。  ファンの間では、冨田恵一氏プロデュースの頃が良かったとか、いいやセルフプロデュースになってからの方がいいとか、いろいろ今まで論議があったけれど、私はとにかくいずれにせよ、泰行氏の歌声に惚れ込んでいた。  ここでも何回も書いたように、なめらかでまろやかでしなやかでたおやかな、ミルクティーのようなハイトーンヴォイスが。  加えて最近ではアラフォー男子(って気持ち悪い言い方だけど)ならではの色気も増してきてなお素晴らしいと、本当にしみじみ聴き惚れていたのだ。  もちろん泰行氏自身の曲も素晴らしいのだが、多くのファンにとってキリンジの特異な魅力といえば、誰かがどこかで書いていたのだが「高樹氏の作るHな歌詞を弟がしれっと歌うことのシュールさ」というのもあったと思う。 今後はそれが聴けなくなってしまうのだ。    しかし思うんだけれど、「兄弟であるが故に、お互いを一人のミュージシャンとして尊重した上でコミュニケーションを取ることが難しかった」とのことだが、そのような悩みをかかえながら今まで10何年も「キリンジ弟」であり続けてくれた泰行氏、どんなにか私たちには計り知れない苦悩があったんだろう。  それを思うと、一概に寂しいとか、やめるのをやめてほしいとか、言えないなあという気もするのだ。   キリンジは高樹氏が引き継ぎ、泰行氏はおそらくソロユニット「馬の骨」をベースに活動して行くのだろうが、やはり私たちファンとしてはそれぞれを変わらず応援していくしかない。  泰行氏が歌をやめるわけではないのだから。  グラノーラ・ボーイズと馬の骨が対バンすれば一番いいんじゃないかとも思うけれど  名曲中の名曲をyoutubeで拾ってきました。   ※この記事の壁紙は、キリンジの名曲「さよならデイジーチェイン」にちなんで、デイジーにしてみました。
posted by つむ at 14:28

キリンジ「自棄っぱちオプティミスト」

 「ダヴィンチ」誌に連載していたキリンジのコラムに加え、ロングインタビューや対談、用語集などてんこ盛りの単行本「自棄っぱちオプティミスト」が発売になった。  私はダヴィンチ誌連載中はこのコラムを読んでいなかったので、今回本になってほっとした口である。  前回の単行本「あの世で罰を受けるほど」に比べ、格段に「エッセイ」としての風格が増したことに驚く。 音楽活動で忙しいはずなのにこのクオリティの高さは、素直に感服した。  ミズモトアキラ氏によるロングインタビューは、デビューから現在までのキリンジを振り返って二人が語った、今まで語ることのなかった本音も交じった、興味深いもの。  「やっぱりあの頃はそうだったんだ…」と納得いく個所もあった。  『都市鉱山』を息子さん(小学1年生)に聴かせたところ「パパ、もっとまじめに歌いなよ!」と言われてしまったという高樹氏には笑ってしまった。  そして圧巻は、キリンジにまつわる用語をまとめた辞典、その名も「奇林辞」。  好きな本、好きだった場所、子供時代の嫌だった思い出、などなど、キリンジを形作っているあらゆる物や人を網羅した(うーん、それは言いすぎかな。特に「人」に関してはもっと掲載するべき重要人物がいっぱいいるような気がする。青山陽一氏とか)辞典なのである。  子供会が嫌で、友達がいなくて孤立していたのに、高樹氏もかばってくれなくて、「ふつうお兄ちゃんは弟の面倒見るもんだろ!」と子供心に思ったという泰行氏にまた笑ってしまった。  字がびっしりなので、活字好きな私なんかにとってはありがたいが、キリンジのヴィジュアルをもっと見たいというファンには若干物足りないかも。  でも読み応え十分です。 最新作「buoyancy」で気になったという方も、昔からのファンも、読んでみるべき!
自棄っぱちオプティミスト
パルコ
キリンジ

ユーザレビュー:
期待を裏切らない!キ ...
松本大洋さんの挿絵前 ...
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posted by つむ at 23:08

「ミュージックマガジン」10月号 ついにキリンジ特集が来た!

 最近のミュージックマガジンはどうもキリンジに冷たいような……と思わないでもなかったので、なんとまあ、表紙巻頭大特集とは、不意をつかれて驚いた。  内容は、二人へのロングインタビュー、アルバム評、歌詞論、シングル評、他アーティストへの参加作品、などなど。  てんこ盛りで嬉しい! と言いたいところだけれど……。    どうも、「渋谷系」「ポスト渋谷系」という言葉が多用されているような気がする。  確かに、渋谷系が下火になった1998年にキリンジがデビューしたわけだし、デビュー当時は「渋谷系を通過してきた」と思われても仕方がないようなサウンドとかアートワークでもあったことは事実だけれど、本人たちは言うまでもなくそこまで渋谷系を意識したアーティストではないし、デビュー当時からとにかくその楽曲の純粋な美しさやヴォーカルの魅力が際立っていたわけだし、渋谷系っぽいイメージからはかなり早々に脱却して唯一無二のサウンドを確立したわけだから、渋谷系渋谷系っていうのもなんだかとても違和感がある。 本人たちもインタビュー受けながら内心困惑していたのではないだろうか。  あと、キリンジのターニングポイントがシングル「エイリアンズ」のスマッシュヒットであることも事実かもしれないけれど、どうもここでライターさんたちの意識も止まってしまっている感が否めない。  私たち昔からのファンもだけれど、セルフプロデュースになってからのファンの人は特に、「今」のキリンジをもっと論じてほしかったと感じるのではないだろうか。  周辺のアーティストなどとも比較しながら、キリンジが登場した意味、存在し続けている意義のようなものをもっと深く掘り下げてほしかったと少し残念な感じがした。  まあ、これは10年もキリンジをほぼリアルタイムで聴いてきた者の贅沢な不満かもしれない。 「○○も××も好きだけどキリンジも好きです」というような人には楽しく読める特集になっていると思う。
MUSIC MAGAZINE ( ミュージックマガジン ) 2010年 10月号
ミュージックマガジン
2010-09-18

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posted by つむ at 22:00

キリンジ「BUOYANCY」

♪いらなくなったPCおくれよ、はずかしい動画は消したか?♪  もう、これでしょう。 この曲に尽きる。 キリンジの8枚目のアルバム「buoyancy」(ボイエンシーと読むそうです。「浮力」というような意味らしいです)は。  この「都市鉱山」という曲が、私がアルバムを購入する前からあちこちで話題沸騰で、「兄ついに壊れた!」「桑田佳祐みたい」などと書かれており、「いったいどんな……??」と期待半分怖い半分で聴いてみたところ、少なくとも桑田佳祐ではない、というかこれは鈴木慶一氏のシャックリ唱法以外の何物でもないではないかっ! (♪はずかしいッ♪のところなんて特に)  これは面白すぎる。  キリンジといえばなんといっても、堀込弟こと泰行氏のシルキーでミルキーなハイトーンヴォーカルが私も大好きなんだけれど、この曲は兄・高樹氏のヴォーカルで始まる。 曲調もサウンドもどこかムーンライダーズっぽいし、これはキリンジの新境地なのか? 泰行氏のヴォーカルは控えめに随所随所に現れるだけ。 それがまた効果的なのだ。  泰行氏が歌いまくるのも大変ありがたいけれど、この曲みたいな実験(?)も全然ありだなあ。  本当に油断できない二人組である。  というわけで、のっけから興奮気味に書いてしまったけれど、実のところこの曲など数曲を除いては、かなり地味?な印象を与えてしまう作品なのである。 正直に書いてしまうと。  いや、地味という言い方は誤解を招くかな。 「深海に潜ったキリンジ」という感じなのだ。  「空飛ぶ深海魚」「アンモナイトの歌」などといった曲があるせいもあるけれど、楽器も控えめで、純粋にメロディの良さを堪能できる作品群という印象だ。  初期の頃の、生ホーンやストリングスや女性コーラスなどでにぎやかだったキリンジを愛する向きには、ここ数年の(はっきり言ってしまえばセルフプロデュースになってからの)キリンジは物足りなく感じるみたいだけれど(そういう意見もちらほら見かける)、私も実はそうなんだけれど、こういうキリンジもいいかもなあ……。  ゆったりと、たゆたうようなキリンジも悪くない。  ギターとドラムとベースとキーボードという最小限の楽器プラス、スティールパン、口笛、ハーモニカなど温かみを感じる音、さらに青年から壮年へ変化する男の憂愁を感じさせるようになった泰行氏のヴォーカル、そんでもって歌唱力が格段にアップした高樹氏のヴォーカルもスパイスになり、秋の夜長にじっくり聴けるスルメのようなアルバムになっている。  キリンジにはやっぱり秋が似合う。  現在スマッシュヒット中(なのかな?)のシングルは「夏の光」だけれど、早く秋が来てほしいよ
BUOYANCY
コロムビアミュージックエンタテインメント
2010-09-01
キリンジ

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posted by つむ at 22:55

キリンジ「For Beautiful Human Life」

 私の中でまたキリンジがブーム。  もちろん初期の作品も素敵だと思うし、近作も良質なアーバンポップ(あえてこう書きます。心からのリスペクトをこめて)なんだけれども、その二つの懸け橋となっていると思われる、この作品「For Beautiful Human Life」が、やっぱりどうにもこうにもいまだに好きでたまらないのです。  あまりにもすがすがしいイントロから、新しい生活への期待がふくらむ「僕の心のありったけ」、暗闇から何かが生まれてきそうな、そして変拍子が何ともいえずかっこいい「the echo」、そして問答無用の名バラード「スウィートソウル」と、名曲ぞろいなんだけど、私の中でのこのアルバム収録曲の2大巨頭は「愛のCoda」そして「繁華街」。  「愛のCoda」は、恋人と別れる覚悟で異国に旅立つ男の歌。 空港で流してほしい、本当に景色が見えてきそうな、哀切なナンバー。  「繁華街」はこの重ーい感じが何とも言えない。 どんよりと雨が降る異国の夜の街。 いかがわしい雰囲気。 私の中ではムーンライダーズ「シナ海」と並ぶ名アジアンソングである。  とまあ、いろいろ書きつつ、やはり最大の魅力は泰行氏のヴォーカルであるという、これまたいつもながらの事実にたどりつくんだな。  初期の頃の、メロディーを一生懸命たどっているような(それもまたチャーミングだったんだけど)ヴォーカルも、最近の男性の色気が漂うようになりつつあるヴォーカルももちろん大好きだ。  けれどもこの時期はそのちょうど中間。 青年から大人の男性へ……青さもありつつ深みが増してきた、という、私的には一番の好みのヴォーカルを聴かせてくれる。  もうとにかく聴いて下さいとしか言えない。 好きだわー。  特に「スウィートソウル」のこの歌声はどうよ……  個人的なことを書くと、このアルバムがリリースされた頃は、私の今までの人生の中で、最も人間的に落ちていた時期だった。  向かない仕事を辛抱してやっていたものの、ストレスが体全体に噴き出てしまい、何かしら病院にばかり通っていた。  このアルバムだって病床で聴いていたものだ。   結婚2年目で、夫婦仲もまだまだしっくりいってるとは言い難い状況だった(新婚さんがアツアツとは限らない。新婚だからこそぎくしゃくもするものなのだ)。  人間として半分死にかけていた。  だからこのアルバムも、収録曲は素晴らしいとは思っていたものの、本当に心から楽しんでは聴けていなかった。  そして今。  私なりに尊厳を取り戻して、人生における大きな目標も達成して、しあわせといえる状況を迎えて、やっと、心から「このアルバムいいなあ。キリンジいいなあ」と思えるようになったのだ。  まあ、私のことはどうでもいいとして、名盤である。   キリンジをさわやかなポップデュオだと思っている方にこそ聴いてほしい、黒光りするキリンジである。 
For Beautiful Human Life
EMIミュージック・ジャパン
2003-09-26
キリンジ

ユーザレビュー:
世界に誇れる大傑作こ ...
研ぎ澄まされたアレン ...
相変わらずいいなあ。 ...
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posted by つむ at 23:20

馬の骨「RIVER」

 まさかもうないだろうと勝手に思っていた、馬の骨再始動。  (注:馬の骨とは、キリンジの堀込泰行氏によるソロプロジェクトです)  馬の骨どころか、キリンジさえも聴く時間がなかなか取れない私に、まさかのセカンドアルバム発売のニュース!  前作の時は馬の骨というプロジェクト名にかなり抵抗を覚え、いくらなんでも冗談で、今回限りだろうと思ってたんだけれど、内容が良かったので一安心というところだった。  まあ、馬だろうとキリンジだろうと、ヤスの歌声さえ聞ければなんでもいいのだ。 それくらい、あのなめらかなハイトーンヴォイスに長年イカレ続けている私なんだから。    で、今作「RIVER」。  あたたかくてカジュアルなバンドサウンドが主体で、キリンジではどこか「演じている」感が否めないヤスも、ここでは実にのんびりとリラックスした歌を聴かせている。 (もちろん、その「演じている」感もすごく魅力的なんだけれどね)  全体に淡々とした流れで、キリンジより起伏が少ないため、物足りないと感じる向きもあるだろう。  そういうのはキリンジを聞いて補うとして、こちらではあくまで馬の骨の脱力感(?)を楽しみたい。  ふわっとしたチュニックにレギンスで、川沿いを散歩しているようなサウンド。  もちろんヤス最大の武器であるあのヴォーカルは存分に堪能できる。  年相応の色気がますます増していながら、デビューの頃の青さもかすかに残しているところがまた憎い。  秋の日になんとなく流していたいアルバムである。
River(初回限定盤)(DVD付)
コロムビアミュージックエンタテインメント
2009-10-21
馬の骨

ユーザレビュー:
短編集のような... ...
かっこいい温かく乾い ...
どうしてこうなったの ...
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posted by つむ at 23:17

Yahooミュージックにてまたもやキリンジ!!

 最近、本当に音楽を聴くことがなくなっている。  かけりゃいいじゃんと思われるかもしれないけれど、リビングにはおんぼろCDラジカセしかないし、CDウォークマンで聴くのも、子供の動向が気になるので落ち着いて聴けない(変な話、ちゃんと息をしているかどうかさえ、耳を澄ましていたいのである)。  というわけで、すっかりキリンジからも遠ざかってたんですが、なんと現在、Yahooのサウンドステーションにて、1月16日まで、キリンジのベストアルバム収録曲が聞き放題なんですねー  現在聴きながら書いているんだけれど、いきなりご機嫌なクリスマスソング「銀砂子のピンボール」でウキウキ  さらに問答無用の名曲「エイリアンズ」にとろける~  この曲、サビのファルセットにばかり気を取られていたけれど、よく聞くと、ユニゾンしている地声がまた色っぽいのである。  そんなことに気づくようになったのも年のせいかな? 年をとるのって悪くないと思う34歳。  このブログは最近タカラヅカやら雑誌やらで、つむさんはもはや音楽のことはお忘れか?と思われた方もいるかもしれないが、はい、忘れかけておりました  やっぱ堀込泰行氏の歌声は永遠だ!
KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
コロムビアミュージックエンタテインメント
2008-12-10
キリンジ

ユーザレビュー:
すべてのファンと、こ ...
うれしいベストHQC ...
素晴らしい曲を有難う ...
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posted by つむ at 13:15

キリンジ・私の心のベストテン

好きなキリンジ10曲(泰行編)」について  えー、ウェブリブログ内で「キリンジ」をテーマにした記事を最も多く書かせていただいている私としては、こんな素敵なベストテンを読ませていただいたからには、どうしてもトラックバックさせていただかないわけにはいかない!ということで、  「キリンジ・私の心のベストテン ヤス編・高樹編」書かせていただきまーす!!  まずはヤス。 10位:双子座グラフィティ……初めて聴いたキリンジの曲。やっぱりはずせないでしょ。 9位:Shootin'Star……「どっかで聴いたことある感」は否めないけれど、やっぱりこのかっこよさには逆らえません。 8位:サイレンの歌……ラストのコーラスがなんともいえない。リミックスヴァージョンも良かったです。 7位:冬のオルカ……これもラストのヤスの一人掛け合い?ヴォーカルがたまらない。 6位:五月病……地味かもしれないけれど個人的に好きな曲。ほのぼのした土曜日の午後のニュータウンみたい。 5位:スウィートソウル……これもラストのヤスの歌声がなんとも美しい。ライブで聴いた時、貧血で座ってしまったのをいまだに後悔している。 4位:アルカディア……キリンジを好きになったきっかけの曲。「暗かっこいい」曲ですね。PVも素敵だった。 3位:繁華街……怪しくて好き。晩秋の重たい空気を思わせる感じがたまらない。 2位:フェイバリット……冬の朝、通勤途中に聴きたい曲。 そして!当然1位:エイリアンズ……永遠の名曲でしょう。個人的には夫と付き合いだした頃に流行っていた曲なので、そういう思い出もありマス 続いて高樹氏。 10位:ロマンティック街道……ヤスのぼやきヴォーカルが色っぽくて◎。 9位:タンデム・ラナウェイ……音数を極端に減らしてクールな感じ。 8位:僕の心のありったけ……幸せ感があふれています。秋のはじめの涼しげな空気を思わせる。 7位:the echo……「ありったけ」もだけど、この曲もリズムがおもしろい。暗闇から何かが生まれてきそうな感じがかっこいい。 6位:Love is on line……ヤスのヴォーカルが冴えまくります。ライブでも良かったよなあ。 5位:千年紀末に降る雪は……重たいイントロのピアノが良い。 4位:雨を見くびるな……キリンジ初期の超名曲。雨といえばこれでしょ。 3位:癇癪と色気……こういう曲を作れる高樹氏もすごいが、歌いきってしまえるヤスもものすごい。 2位:影の唄……宝塚ファンとしては、デュエットダンスのバックに流れていそうな感じがたまらなく好きだ。ラストのヤスの絶唱も素敵だ。 そして文句なく1位:愛のCoda……何度聴いても飽きないのだ。国内すべての空港で流すべきだと思う。インストでもいいから。  こうして改めてベストテンを決めてみると、ヤス曲は初期の頃の、高樹曲は最近の曲が多いのがわかる。  そしてやはり、地味ながらしみじみしみるヤス曲、才気ほとばしる高樹曲という対比もわかる。  そしてそしてやはり、すべてにおいてヤスの、あの、素晴らしい歌声がキリンジ最大の魅力かな?という気も改めて。
posted by つむ at 10:24

キリンジ、10周年のベストアルバムが12/10にリリース!

 音楽からはちょっと離れた生活を送っている今の私だけれど、やはりキリンジとなるとチェックせずにはいられない(っていうかyahooからメールが来たからだけど)。  『キリンジ10th Anniversary celebration 1998-2008』  デビュー10周年の記念ベスト盤だそうだ。  収録予定曲は以下の通り。 (DISC-1 YH-SIDE) ・双子座グラフィティ ・冬のオルカ ・BBQパーティー ・銀砂子のピンボール ・エイリアンズ ・むすんでひらいて ・フェイバリット ・太陽とヴィーナス ・カメレオンガール ・スウィートソウル ・YOU AND ME ・ブルーバード ・Lullaby ・ジョナサン ・Ladybird (DISC-2 TH-SIDE) ・ニュータウン ・かどわかされて ・耳をうずめて ・ダンボールの宮殿 ・イカロスの末裔 ・悪玉 ・千年紀末に降る雪は ・玩具のような振る舞いで ・Drifter ・僕の心のありったけ ・愛のCoda ・Golden harvest ・Love is on line ・朝焼けは雨のきざし ・今日も誰かの誕生日 ・新曲(タイトル未定)  ファンの方ならピンとくるように、YHというのはヤス、THというのは高樹氏のことで、二人それぞれの曲を一枚ずつ収録してるわけやね。  ざっと見ただけでも、ヤスはのんびりした曲、高樹氏はピリッとした曲が多いなあと改めて。  「あの曲が入ってない!」「あの曲はマストなのに…」という思いもあるけど(「雨を見くびるな」は入ってほしかったな)まあだいたいこんな感じなのではと。  ほとんどすべての曲を所有している私的にはもう買う気にはなれないけれど、キリンジって気になってるんだけど…という方々にはおススメかな。
KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
コロムビアミュージックエンタテインメント
2008-12-10
キリンジ

ユーザレビュー:
音の並びがとてもきれ ...
キリンジ・ワールド入 ...
すべてのファンと、こ ...
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posted by つむ at 09:48

キリンジ「7」全曲ひとことレビュー

 というわけで前記事に引きつづき、キリンジ「7」の全曲の感想を書いてみたいと思います。 ・家路  「the echo」を思わせるスピード感あるナンバー。 ・朝焼けは雨のきざし  ゆったりした、雨上がりの朝にぴったりの曲。 ・Shootin' Star  今回のぶっ飛びナンバー1がこの曲。どーしたんだ泰行!?ヤスユキはヤスユキでも岡村か!? と思わせるファンキーなナンバー。でもそこはキリンジ、音も控えめに、クールさは失っていない。泰行氏のヴォーカルも色気たっぷりです。 ・今日も誰かの誕生日  不二家か何かのバースデイケーキのCMにぜひ使ってほしい、幸福感あふれるバースデイナンバー。サビもキャッチーだし、配信オンリーのシングルだったなんてもったいない。 ・タンデム・ラナウェイ  これまた音も少なめに大人っぽく迫る、クールなナンバー。こういう曲って今ではキリンジでしか聴けなくなってしまった。 ・君のことだよ  やわらかいポップな曲。これも今からでも遅くないから普通にシングルCDで出せばヒットするよ? ・ジョナサン  泰行氏お得意のキリンジ流ロックナンバー。散歩にぴったりのテンポが今の季節に気持ちいい。 ・Ladybird 一転してゆったりとした、眠気を誘うバラード。リラックスできます。歌詞がちょっと意味深。 ・この部屋に住む人へ  高樹氏らしい、日常のちょっとした不安を切り取った曲だが、欲を言えばもう少し歌詞をぎゅっと絞ってほしかったかな。 ・囁きは天使のように  今回は泰行氏が頑張ってます。本当に地味ながらしみじみと心に響く曲を作る人です。 ・グレイハウンド・マン  またしても泰行氏のほのぼのナンバー。キリンジ流フォーキー。 ・もしもの時は  初期の名曲「茜色したあの空は」を思わせるカントリーな曲だが、歌詞がちょい危ないです。  すらーっと一気に聴けてしまう今作。  今までのキリンジのアルバムってわりと起伏があって、「ひえー!」って感じの曲と「和む~」って感じの曲が混在していた感があったが、今回は比較的どの曲も「和む系」である気がする。  「CDジャーナル」誌での高樹氏の発言。  「俺ってこんなにすげーんだぞ!というのは今回はなくなりましたね。「FBHL」の頃はありましたけど(笑)」  確かに「FBHL」は「すごいよタカキさん!」という感じの、高樹汁たっぷりの作品で、だからこそ今でも私の中ではナンバー1の名盤なんだけど、そういうエゴのようなものよりも、純粋に作品の良さを聴かせることに徹したのが今作のようである。  高樹氏があまり歌わず、泰行氏がガンガンに歌いまくっているのも、「いい曲をいいヴォーカルで」という思いの表れかも(いや、高樹氏の遠慮がちなヴォーカルも好きだけどさ)。  本当に一枚として同じような作品がない、相変わらず日本で最も信頼のおけるミュージシャンのひと組だと思う。 7-seven-(DVD付)
7-seven-(DVD付)
posted by つむ at 16:34

キリンジ「7」

 3枚目のアルバムが「3」で、7枚目のアルバムが「7」かいっ!  まったくいつもながらひねりがないんだからこの人たちは…。  なにはともあれ、待望の、本当に待望の、キリンジのアルバムである。  なぜそんなに待ち望んでいたかというと、このところ毎月リリースしていた(リリースとも呼びたくないけど)シングルが、すべて配信オンリーだったからなのである。  そのことについてはこの記事で思いっきり吠えさせてもらったので今さらどうこう言わない。  とにかくよくぞCDで出してくれた、ありがとうという気持ちだけである。  こちらにも書いているように、動画サイトでPVを見ることもできたわけだけれど、やっぱり私としては、CDというものをきちんと手に入れて、プレイヤーに入れて、歌詞カードを読みながら聴くというスタイルでないと、どうも「●●の新曲を聴いたぞ」という実感が持てないのである。  古い奴だとお思いでしょうが。  さて、その本当に待ちに待ったアルバムなんだけれど。  ざっと一回通して聴いた感じでは、今までで最もポップで、最もわかりやすく、最もさらっと聴ける作品だなと。  まあ、配信でリリースされたシングル曲が大半の「シングル・ベスト盤」といってもいいようなアルバムなので当然かもしれないけど。  高樹氏のいつもの毒気も影をひそめ、「え、そこまでキャッチーでいいの?」と驚いてしまうような言葉づかいもみられる。  泰行氏はといえば、相変わらずの超美声なんだけれど、今までの「こう見えても僕ってこんなに歌えるんですよ」「どうです、僕のハイトーンってきれいでしょ?」みたいな感じ(これ見よがしなのではなく、むしろ微笑ましいような感じ)はまったく感じられず、本当にまっとうに素直に「上手い人」として存在している。  「中年男性的いやらしさが出てきた」なんてミュージックマガジン誌では書かれてたけど、本当に年相応の色気がますます増して、余裕みたいなものも出てきたかな。  デビューの頃の、青くて棒読みで精いっぱい、だけど素晴らしくチャーミングだったヴォーカルを懐かしむ向きもあるだろうけど。  そんなこんなでとても1ページでは書けそうにないので、次記事に続きたいと思います。 7-seven-(DVD付)
7-seven-(DVD付)
posted by つむ at 17:45

「ミュージックマガジン 4月号」表紙は電気グルーブですが、キリンジの記事もあります

 「ミュージックマガジン」誌にやっと、キリンジが帰ってきた。  いつもアルバムレビューはあるけれど、その扱いも作品を重ねるごとに小さくなっていってたし(仕方ないかなと思える作品もあったけど)、もっと大きく取り上げてほしい…と、歯がゆい思いをしていた私。  今回、アルバム「7」の発売により、ほんとうに久し振り(「3」以来じゃないか?)に、キリンジのインタビュー記事を読むことができた。  「渋谷系」が下火になり、宇多田ヒカルやMISIAなんかが出てきた10年前、1998年にデビューしたキリンジ。  「70年代っぽい」「喫茶ロック」「インテリ向け?」みたいな余計な誤解も受けつつ、自分たちの好きな音楽を純粋にやってきたという過程を語ってくれている。  今回のアルバムの評価もまずまずだし、ほかにも鈴木慶一+曽我部恵一などの記事もあって、私的には楽しめた今月号である。  さて、この辺でちょっと近況報告。  私はついに来週から臨月という状況に突入します。  おなかの中のもう一つの人格は男子であることもわかり、男子らしく暴れん坊に、食いしん坊に成長しつつあります(料理中に大暴れする)。  そんなわけで買い物も困難になり、日用品や今回の雑誌、CDなんかもネット通販に頼りっきりです。  そんな時に限ってリリースラッシュなんだよなあ。  ブログは体調の許すかぎり更新するつもりでいますが、たぶん5月になると一ヵ月間更新がないと思います。  それまでなるべくまめに更新しますのでよろしくです MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2008年 04月号 [雑誌]
posted by つむ at 16:23

キリンジ「あの世で罰を受けるほど」

 「TVブロス」誌を読まなくなって久しい。  まあ、キリンジの連載と、津田寛治さんの連載が終わってしまった今となっては、特に用のない雑誌なんだけど(「好きな男、嫌いな男」もやらなくなっちゃったし)。  本書は、ブロス誌に連載していたキリンジのコラムを単行本化したもの。  ブロスを毎回チェックしていたわけではないので、初めて読むコラムも多く、思った以上に笑えたし楽しめた。  流麗な筆致とピリッとしたユーモアで圧倒する高樹氏、一見地味だが後からしみじみ来る泰行氏と、まるでそれぞれの作る曲のような個性の違いが文章でも楽しめる。  高樹氏の文章のおもしろさは特筆すべきなんだけど、今の私にとっては、高樹氏の子育ての話が改めて興味深い。  どこかの国では、胎盤を食べる風習があると聞いて、わが子の胎盤を食べさせてもらえないかと奥様の健診に毎回付き添ったが、ついに出産後もお医者さんに言いだせなかったとか、奥様が職場復帰するにあたって「卒乳」をさせないといけなくなり奮戦する話とか、お子さんの育児と家事についてとか(何せミュージシャンで在宅なので、相当家事や育児をこなしているようだ)楽しめた。  今では公式サイトのブログさえも会員制で(ちなみに私は会員になっていないので読めない)なんだかやたら敷居が高くなってしまっているキリンジだけれど、何度も言うようだけれど本当にもったいない売り方だ。  売り方によってはおもしろいキャラクターなのに(もちろん音楽のすばらしさは言うまでもなく)。  あの世で罰を受けるほど
posted by つむ at 09:36

Yahoo!動画の「キリンジチャンネル」はすばらしい!

 ぼろパソコン時代はなんてったってMeだったし、動作以前に起動自体が非常に不安定だったものだから、Yahoo!動画なんて見るべくもなかったんだけど、やっと、ついに!見ましたぞ、キリンジファンの間で話題沸騰(?)の「キリンジチャンネル」。  これ、キリンジの過去のシングルのビデオクリップに加え、最近配信のみでリリースしてるシングル群をBGMにキリンジの二人が京都とかいろんな街を食べ歩くという映像も見られるのだ。  配信だか、特典付き限定シングルだか知らないけど、今年に入ってからのキリンジのシングルにはとんと縁がなかった私だけに、この動画はうれしいサービスだ。  「ジョナサン」「今日も誰かの誕生日」「LADYBIRD」の3曲。ほとんど初聞きなんだけど、キリンジらしいといえばらしいさわやかなポップスに仕上がってますなあ。アルバム(出るんだろうね?)ではもう少しダークまたは大人のキリンジを聞かせてくれると期待していますが。  昔のPVと改めて聞き(見)比べてみると、やや棒読みなヴォーカル(それが初期堀込泰行のチャームポイントでもあったんだけど)が、やはりここにきてずいぶん味わい深くなってるなあ。ルックスはカーネーション直枝氏化してる彼だが(誉めてるつもり?)「14時過ぎのカゲロウ」まではなんともさっぱりとしてて別人のよう。  そう、この「14時過ぎのカゲロウ」。東芝時代の数少ないシングルの一つで、アルバム未収録だからなおのこと忘れられかけてる隠れた超名曲。PVの泰行氏も最高にかっこいいし、曲自体もざくざくしたギターサウンドがなんとも言えないし、なんでこんな素敵な曲が入手困難な状況に……。  新しいパソコンの匂いがどうもダメで、いつもインターネットは一時間くらいで退散してしまう私だけど、「キリンジチャンネル」だけは大丈夫のようだ。私の腹の中のもう一つの人格も、泰行氏の歌声にはどうやら安心するらしい(まだ聴覚はできてないけど)。  予定日が当初2008年5月2日といわれてて、「これは、あの偉大な堀込泰行氏と、誕生日も干支も同じかあ!!」と、俄然産む気がわいてきたんだけど、のちの診察で4月25日であることが判明。ありゃ。まあいいんです。無事でさえあってくれれば。 十四時過ぎのカゲロウ
十四時過ぎのカゲロウ
posted by つむ at 20:35

キリンジ ニューシングル「君のことだよ」発表間近! だけどさあ…

 ムーンライダーズにかまけてはいるが、もちろん鈴木兄弟だけじゃなくて堀込兄弟のことも忘れてはいません。  キリンジが所属事務所も新たに、毎月25日連続シングルを発表するらしい。  第一弾は今月25日、「君のことだよ」。  はい。あえて「発売」と書かずに「発表」を書いたのにはわけがあります。  これ、すべてCDでのリリースではなく、配信なのである。  ちょっと……  正直に白状するが、私は生まれてこのかた配信サイト(って言うのかな)でダウンロード購入(って言うのかな)したことがいっぺんもない。  やり方が分からない、というのもあるけれど、やはり手に取れる「もの」がほしい、というのが大きい。「もの」がないと不安にも感じる。  そこで、とりあえず生まれて初めて、ヤフーの配信サイトを見てみたところ、昨年のシングル「ロマンティック街道」が200円で売られていた。一曲200円か。こりゃ確かにCDを買うよりはるかにお得だ。  でもね……。  ここでいくつかの問題(というか私の単なる不満)をあげてみたい。 ・パソコンを持っていない人、携帯電話さえ持っていない人は、どんなにキリンジのことを愛していようと、これから毎月リリースされるシングルを聴くことすらできないのである。そういうのって、基本的にミュージシャンとしてどうなの? ・はっきり言って、ヤフー掲示板のキリンジスレすら消滅してしまった今、キリンジは徐々に忘れられていきつつあるのが現状。今、なりふりかまわずと言っては言いすぎだが、本当に「おっさんにも聴いてほしい」(←「3」リリース時の高樹氏の発言)と、ポピュラリティを必要としているなら、もっと目に見える形で露出するべきではないのか。意地悪な言い方をすれば「CDが売れなかったことに拗ねて、配信に逃げた」と思われても仕方がないのではないか。それともかつてのムーンライダーズのようにいろいろと「無理な」売り出し方を提案されて(「ジンギスカン」をカバーしろだの、大滝詠一をプロデューサーに女性ヴォーカリストを迎えろだの、「春咲小紅」みたいな曲を作れだの)周りの大人たちに信頼感をもてなくなった結果なのか。まあ、ジャケットやPVひとつとっても、率直に言って「この人たちって、スタッフに恵まれてないな……」と歯がゆい思いをずっと持ってはいたけど。せっかくデビュー当時はかわいらしかった(遠くから見るとスパイラル・ライフみたいだった)ルックスも活かし切ることができず。NHK-BSの歌番組で「Drifter」を歌ってた頃がなつかしい。 ・「レコードを知っている最後の世代」である私としては、さっきも書いたけど、やはりジャケットがあり、歌詞カードがあることに幸せを感じてしまうのだ。しかし実は歌詞カードを熟読する人って意外と少ないらしいね。私なんかCDを買ったならまず歌詞カードを見ながら一回通して聴き、歌詞カードを何度も読み返すんだけど。  というわけで、コロムビアのサイトでサビだけを何度か聴き、相変わらずの泰行氏の美声が素晴らしい曲だと思えば思うほど、割り切れない思いが募る。「影の唄」みたいにあとでCDに収録してくれるんならいいけど、まさかアルバムまでも全曲配信にしないでしょうね? 
posted by つむ at 21:06

馬の骨「馬の骨」

 というわけで(どういうわけなんだか)昨年のキリンジ「DODECAGON 」、そしてツアーでもって私の中でキリンジ熱が再燃している中、「そういえば馬の骨、数回聴いただけで忘れかけてた……」と思い出し、CDラックから引っ張り出して朝に夕に聴きまくっている今日この頃である。  馬の骨。  キリンジ弟こと堀込泰行氏のソロプロジェクトである。  最初はこのあまりにも無骨なプロジェクト名にかなり抵抗を覚えたんだけど、今となってはジャケットデザイン共々、「まあ、いいじゃん」って感じで受け入れてしまっている。  受け入れざるを得ない、というかそんなのどうでもよくなるくらい、内容が素晴らしいからなんだな。  洋楽のカバーが数曲、あとは打ち込みありギターポップありギター一本弾き語りありとろけるようなバラードあり、キリンジとは一味も二味も違った泰行ワールドが存分に楽しめる。  キリンジでもどちらかというと、華やかで流麗な曲は兄・高樹氏によるもの、かたや泰行氏はといえば一見地味なようだが、あとあとまで残る不思議な後味がある曲を多く作っている。そんな彼が思いっきりその個性を炸裂させたような作品集だ。  そんでもってまた、歌声がいつもながらいいのですよ!  個人的にはユーミンのトリビュートで「曇り空」を歌ったあたりから、すごく色気がにじみ出るようなヴォーカリストになったなという印象をもっていたんだけど、このソロアルバムにおける「燃え殻」でのさりげなくも甘くてひそやかな色気を感じさせるヴォーカルはどうよ。   たまりません。  かと思うと「枯れない泉」などでは伸びやかでポップで元気な(といっても大人の「元気」だけど)歌を聞かせる。  サウンド面でも「PING PONG」のような、当時はちょっと冒険かなと思わせた打ち込み+アコースティックギターという組み合わせはのちの「DODECAGON 」収録の「愛しのルーティーン」あたりにつながってるんだなと。歌声の響きもあいまって、独特の浮遊感あるサウンドになっている(この曲から「Red Light, Blue Light, Yellow Light」へのつなぎがたまらなくかっこいい!)。  それにしてもこんなにも人懐っこくて素敵なポップス集なのに、かえすがえすも「馬の骨」かあ……。なんかもったいない感が拭えないけど、もう少し先の春のドライブにはぴったりかと思われる、ほんとにいい作品なので、キリンジファンならずともぜひ。 馬の骨
馬の骨
posted by つむ at 18:37

キリンジ「DODECAGON」ツアー@NHK大阪ホール!

キリンジ@SHIBUYA-AX」について  昨日は職場の忘年会だったんだが、そんなものはあの兄弟の前にあっては何の妨げにもならない! 軽々とブッチして大阪まで飛んでいきましたよ。  NHK大阪ホールに入ったのは初めて。普段はNHKの「思い出のメロディー」的なベタな番組を収録しているホールなので、一体そこでどんなキリンジライブが繰り広げられるのか少々心配だったんだけど、なかなかどうしてきれいなホールだった。  私、いろいろあってキリンジのライブは「FINE」ツアー以来。その時は「フェイバリット」をピアノのみをバックに歌う泰行氏にしびれたものだ。さて、今回はどのような!?  一曲目は「自棄っぱちオプティミスト」。CDでも安定した歌唱が聴けるこの曲、ウォーミングアップに最適なんではないだろうか(←偉そう)。私たち観客もリラックス。  「ニュータウン」「ダンボールの宮殿」「風を撃て」など、かなりなつかし目の曲が並び、一瞬最新アルバム発売ツアーであることを忘れそうに。それにしても「ダンボール」の松本氏のピアノソロすさまじかった。私も最近ジャスピアノを練習してみてわかるのが、ああいうアドリブ的なピアノソロを弾くことがいかに難しいか。もう指先を集中して見てしまった。素晴らしい!  そんな松本氏をはじめとするツアーメンバーの紹介は比較的早いうちに。ブルーマウンテンズにも参加の伊藤隆博氏も私にとっては久しぶり。青山陽一氏のライブで、キーボードを弾いてたのが唐突に立ち上がってトロンボーンを吹き出した姿が強烈に印象的だった彼だが、今回も「ララバイ」「愛しのルーティーン」で唐突に吹いてくれました。かっこいいっす。それから、アーティストを観に来てんだか真城さんを見に来てんだか自分でもわからなくなるくらい、私の行くライブ行くライブに必ずいる真城めぐみ姉さん。黒のニットにグレーのロングフレアというシックなスタイルでした。  弟「昨日は移動日で、雨も降ってたし喉を痛めちゃいけないってんで、カレー食いに行っただけで部屋でテレビ観てましたね」  兄「ぼくはテレビは見なかったですね。「なるトモ!」以外。あれ、関東では終わっちゃったんですよ。黒田(メッセンジャー)って人が面白くて(ここで会場爆笑。黒田氏は関西では非常に有名なお笑い芸人。「浪花の土田晃之」という感じの人)。あとは松本君と、コーラスの二人とで京都を散策してました。錦市場とか。あれ、試食したら絶対買いたくなっちゃうからダメですね」そして、兄弟でやっていたのに喧嘩別れし、現在は兄弟別々で店を出しているという某有名カバン店の話をし、唐突に「俺たちは仲良くやろうなっ!」ここでまた会場大受け。言われた方は少々リアクションに困っていたが(苦笑)。そんな淡々としたMCも相変わらず。  高樹氏はこうも言っていた。「大阪でのライブのアンケートには、必ず『MC頑張れ』って書いてあるんですよ。あの、ぼくたち別にしゃべりが身上じゃないですよ(笑)。だから…頑張れとか言わないで下さい(笑)」。まあ気持ちはわかるけど、関西人ってどうしても、誰に対しても「人間味」みたいなものを求めてしまう部分があり、それが往々にして「笑い」とイコール視されてしまうところがある。だから関東人ミュージシャンであってもしゃべりが面白ければ関西でも人気が出たりね。でも個人的には、しゃべりは今まで通り朴訥でいいから、その分音楽でまっとうに聴かせてほしい。しゃべりが面白くて関西で人気に火がついて、今年紅白に初出場する某アーティストのライブに一回だけ行ったことがあるけど、確かにMCは面白かったんだけど、ほとんどの曲で原曲よりキーを下げていて、すごくがっかりした。ハスキーなハイトーンが魅力の人なのに。プロならそれくらい生でも聴かせろよ!と残念に思ったことが。  それにひきかえ、今回の泰行氏はいつもながら聴かせてくれた。「鼻紙」のようなファルセットを多用した曲はさすがに苦しい部分もあったが、「スウィートソウル」「ララバイ」「愛しのルーティーン」先程の「ダンボールの宮殿」などなど、安心して聴いていられるヴォーカリストになったなと感慨深い。でもいまだに危うい部分もあり、そこがまた萌えポイント。  今回、一曲通して歌う曲がなかった分、ギターとコーラスに徹した感のある高樹氏。こんなにかっこいいギタリストだったんだと改めて驚愕。高樹氏といえばどうしても流麗なメロディーを作る人、意味深な歌詞をつむぐ人、というイメージが私の中で先行しがちだったんだけど、クールな表情で淡々と弾くギターが思いのほか熱いのだ。兄さん素敵です! そして足が長い!  本編ラストは「Love is on Line」。期待通りのハイトーンヴォーカルが美しい~。でも本当に泰行さんすごくなったなと思ったのは最後のフレーズ♪渡る夜露さ♪の低音部。低音に深みがものすごく増したなと。これからますます高音も低音も磨きをかけて、魅力的なヴォーカリストになってくれるんじゃないかと期待大。  アンコールは「CHANT!!!」「ブルーバード」。「CHANT!!!」は会場中がハンドクラップの海と化した。「ブルーバード」はCDでは正直ピンと来る曲ではなかったんだけど、やはり広い会場でライブで聴くと良い。「これからも大阪に来ようと思ってますので、また観に来てください! 今日はどうもありがとうございました!」と、いつもながら礼儀正しい挨拶とともにステージを去った兄弟なのであった。  あー今でも感動が覚めやらなくて、「DODECAGON」と「47'45"」を聴き直してしまった土曜日の午後。「この人たちと同じ時代に生きることができてよかった。この人たちと2~5歳くらいしか違わなくて、同じ日本人で、こうして同じ空間で同じ空気を吸えて、この人たちが奏でる音楽の洪水を浴びることができて、なんて幸せなんだろう」と、昨夜「柳のように揺れるネクタイの」を聴きながらしみじみ思った(曲の内容とはまったく関係ないけど)。今度関西に来てくれるのはいつになるんだろう。事務所が閉鎖になったりいろいろあるし、だいぶ先になるんだろうか。つらい。それまで武道館ライブのDVDを見ながら待つことにしよう。
posted by つむ at 18:08

キリンジ「DODECAGON」

 前作「For Beautiful Human Life」から実に3年、やっと、やっと、キリンジのニューアルバムが届いた。  前作が私にとってツボだっただけに、今回のアルバムにはものすごい期待を抱いていたのだ。きっと前作を超えた濃密で流麗なキリンジサウンドを聴かせてくれるはずと。   ……あれ?  冨田恵一氏から離れ、セルフプロデュースとなった今作、堀込兄弟自身による打ち込みがアルバム全編を占め、実にエレクトロな、機械的なサウンドに変化していた。  ……うーむ。  どうしたものか。  私は冨田氏のサウンドが好きだった。中島美嘉とか平井堅とかを熱心に聴いているわけではないけれど、冨田氏の作り出すサウンドとキリンジのメロディ、泰行氏のヴォーカルはとりわけベストマッチな気がして、冨田氏がプロデュースするキリンジのサウンドが好きだった。  こんなにも偉大なプロデューサー、アレンジャーだったのかと愕然。  ……とまあ、最初に聴いた時は少しがっかりしたわけです、正直。  「ここにいつもだったら流れるようなストリングスが入るのに」「いつもはこんなピコピコしたイントロじゃないのに」「やっぱり生ドラムじゃないとやだ」とか。  これからもずっとこの路線を続けていくのなら、もっと勉強・研究を重ねるか、信頼の置けるサウンドプロデューサー、アドバイザーに入ってもらう必要があるんじゃないか、とか。  やっぱり泰行氏のシルキーでミルキーな歌声には、ぜひとも生楽器を合わせてほしいものだ、とか。  生楽器に入ってもらう予算がなかったのかな……とかとか。  でも。  やはりキリンジは只者ではない。  聴けば聴くほど、癖になっていくではないか。  エレクトロサウンドもだんだん違和感がなくなってきた。  高樹氏の歌詞とメロディはいつもの華麗さを失っていないし、地味ながらしみじみとした情感を持った泰行氏の曲もいつも通り。  いつもより音数が少なめだからか、ヴォーカル、コーラスがぐっと前に出ていて、何はなくともキリンジ二人のハーモニーが大好物な私としては大満足。  もちろん全部が全部打ち込みなわけではなくて、生楽器の出番も多い。くじらの楠均さんのドラム! くじらファンだった者としてはうれしい。ブルーマウンテンズの田村玄一氏、伊藤隆博氏も参加。  次作がいつになるのか、このところのリリースペースを見る限り予測はつかないが、ゆっくりでいいので(私たちが寂しくない程度に)さらに彼ら自身が納得のいくサウンドを見つけ出して、発表してほしい。  ……ああそれにしても、ボーナストラックの「影の唄」いいっすね。  やっぱりこれが一番好きだわ。  ビッグバンドのアレンジ、今にも宝塚のショーで3組くらいがデュエットダンスしそうで、めちゃ好みである。  「影」とは冨田氏のことだろうか? DODECAGON
DODECAGON
posted by つむ at 19:26

キリンジ「3」

 初めて聴いたキリンジの曲は、おそらくデビュー曲「双子座グラフィティ」だと思うが、ラジオからたまたま流れてきただけで正直あまり印象に残らなかった。  その後2年近くを経て、再びラジオから流れてきた「アルカディア」のメロディーに衝撃を受け、レンタルでシングルを借り、カップリング「千年紀末に降る雪は」にも感動した私は、当時の最新アルバム「47'45"」も期待してレンタルしたんだけど……。こちらがまたしてもまったく、本当にまったく印象に残らなくて、1回しか聴かずに放ってしまった。  そんな中、リリースされた「3」。  「アルカディア」も「千年紀末」も収録されてることだし、これがダメならキリンジとはご縁がなかったと思って……と、これはちゃんとCDショップで買った。  これが私内大ヒット!!  最初の「グッデイ・グッバイ」続く「イカロスの末裔」と、たたみかけるようにポップな曲でウキウキさせ、次が「アルカディア」ですよ。冬の嵐のようなダークな展開とコーラスの美しさにうっとり。続く「車と女」もある意味ドライブにぴったり。堂々と誇らしげに歌い上げる泰行氏に圧倒される。とまあ、ラスト「千年紀末」まで感動が持続し、何度も繰り返し聴きたくなる、めくるめくポップスの大作。現在に至るまでこれほど濃いアルバムはキリンジの中にはないかも。  こじゃれていて時々ストレートな高樹氏のラブソングをお好みの向きには「君の胸に抱かれたい」、一見地味ながらじわじわとしみこんでくる泰行氏の曲なら「エイリアンズ」をどうぞ。この「エイリアンズ」がね~。個人的には今の夫と最もラブラブ絶好調だった時に流行っていた曲でして(汗)、今でもこの曲を聴くと初心に帰れます。淡々としたバラードなんだけど、恋しい人を思う気持ちが切々と伝わってくるんですよ。サビはオール泰行氏のファルセットなんだけど、これがまた美しい。  上質なポップスがぎっしり詰まったこの作品に触れ、キリンジの旧作をすべて揃えたのは言うまでもない。  ちなみにカーネーション好きの方には「あの世で罰を受けるほど」でロックな、「メスとコスメ」でクールな矢部浩志氏のドラムが聴けることも付け加えておく。  3
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posted by つむ at 19:55

冨田ラボ「シップビルディング」

 冨田恵一。  この名前を知らない人でも、MISIA「EVERYTHING」、平井堅「RING」などの流麗なサウンドには聴き覚えがあるかもしれない。  J-POPでの存在感を徐々に大きくしつつあるサウンドプロデューサー、冨田恵一の初めてのアルバムがこれ「シップビルディング」。  初アルバムといっても、ゲストには豪華なヴォーカル陣を迎えている。  松任谷由実が変わらぬ初々しい歌を聴かせ、イオングループのCMでもおなじみハナレグミが切なく、birdは伸びやかに、畠山美由紀はシックに、冨田氏の優雅なサウンドと溶け合う。  コンビニやファーストフードの有線で流れるJ-POPが1,000円単位で買えるカジュアルな普段使いの服だとしたら(それももちろん必要ではあるけれど)、冨田ラボのサウンドは決して高すぎはしないけれど手ざわりや着心地が普段着とはやはり違い、着てみると仕立てや縫製の良さがよくわかる、そんなとっておきの服のような感じだろうか。  最近の流行りのポップスやロックが騒音にしか聞こえない、それだったらジャズやクラシックを聴いている方が落ちつく、そう嘆く人が30代くらいから増えてくる気がする。それでもJ-POPを諦めたくないともしお思いなら、ぜひ冨田サウンドに耳を傾けてみてほしい。  ちょうど今くらいの季節の、窓を開ければ鶯の声でも聞こえてきそうな休日の朝、まどろみながら聴いてみてほしい。きっと特別な朝になるはずだから。  忘れちゃいけない、私が冨田サウンドを支持する理由、それはひとえに、キリンジのデビュー時からのサウンドを作り上げたのがこの人だからだ。  一筋縄では行かない堀込兄弟のメロディーも歌詞も、そして堀込泰行氏のミルクティーヴォイスも、冨田氏の上質な音と見事に調和し、結果としてキリンジの現在の地位を築き上げることになった。まさに3人目のキリンジ。  もちろんこのアルバムでも、軽快でカラフルなポップソング「香りと影」を披露。  このアルバムで冨田サウンドに興味を持った方は、次は中島美嘉でもいいけど、できればキリンジに走ってほしいなあ……。 シップビルディング
シップビルディング
posted by つむ at 21:56

♪エビス、ちょっと贅沢なビール♪

 エビスビールのCMといえば、軽快な「第三の男」のスキャットでおなじみだけれど、今回ついに、キリンジがこのCMソングを担当することになった。  YEBISU BAR  キリンジファンクラブ会報によると、♪ラララ~♪の地声部分は泰行氏、そしてファルセット部分は高樹氏なんだそう。私はてっきりどちらもヤスかと思ってたけど。  ヤスに対しては高樹氏から「もっとなめらかに歌って」、高樹氏に対してはディレクターから「CMだからその時の勢いを大切にした方がいいよ」といったアドバイスがありつつレコーディングが進んだんだそう。  サウンドはボサノヴァっぽいゆるめの、アコースティックギターが印象的なものに。  結果、あのような本当に春らしい、そしてキリンジらしいどこかほっとする歌に仕上がった。  キリンジってあんなに素敵な声を持つ兄弟なのに、テレビ仕事はあまり印象に残るものがない。それに少ないっ。もったいない! HARCOやハナレグミもいいけど、キリンジももっと使ってあげておくれ。♪チョコレート、ロッテ♪くらいしか記憶にないのが悲しい(それも某男女二人組に取られたしさ……)。  お酒をほとんど飲まない私なので、エビスに関しても♪ちょっと贅沢なビール♪というからにはちょっと高いんだろうなという程度の認識しかなかった。  夫に聞くと「黒ラベルよりはやっぱりちょっと高くて、すごくおいしい」らしい。  普段、その他雑酒をも通り越して、「リキュール類」、果ては国産ですらないなにやら怪しげな雑酒をちびちび飲んでいるわが夫。  私も節約を兼ねて、お酒関係はさんざん懸賞に応募しているんだけど、同じような世帯が多いらしく、ちっとも当たらない。  夫婦で協力し合ってお金をためて、毎日エビスを飲める身分になるぞー!
posted by つむ at 19:43

キリンジ弟こと堀込泰行のソロプロジェクト「馬の骨」インストアライブ

 昨日、タワーレコード難波店にて、馬の骨インストアライブ。  私は残念ながら整理券を手に入れることはできなかったが、せめて歌だけでもと思い、はるばる大阪へ足を伸ばした。  そう、「せめて歌だけでも」と思える数少ない歌い手なんだな、この人は。  「キリンジの歌がめちゃくちゃ上手い方」などと紹介されることもある泰行氏だが、「めちゃくちゃ」上手いとは私は思っていない。いや、下手でもないけれど、いわゆる久保田利伸や平井堅的な、安心して聴いていられるというような歌の上手さではない。ものすごく凝った歌い回しができるわけでもない。兄である高樹氏の超絶に難しいメロディを歌いこなすことはできるが、音程やファルセットはまだ不安定なところを残してもいる。  でも、なんともいえずひかれるヴォーカリストなんだな。  まろやか、たおやか、なめらかなハイトーンヴォイスはキャラメルのよう。最近ではただ甘いだけでなく渋みも増し、コーヒー味のキャラメルといった趣。淡々としているようで表情豊かで、脱力系のようでいてしなやかに強い。  そんなヤスの弾き語りを聴きに、ものすごい数のファンが詰めかけていた。  いろいろなアーティストのインストアライブに行っている私だが、顔が見えないくらいのファンに囲まれてのライブは、高野寛以来。高野さんも素晴らしいシンガーソングライターだが、ヤスも負けてはいない。 「Red Light,Blue Light.Yellow Light」「燃え殻」など4曲ほどを聴かせてくれたヤス。  私はどう頑張ったって彼の姿が見えないものだからすっかりいじけて、CDを物色しながらBGM感覚で聴いていたんだけれど、ヤスの生歌を聴きながらのショッピングなんて、なんて贅沢なひととき!  大阪厚生年金会館でのキリンジのライブで「フェイバリット」をピアノだけをバックに歌ったヤスのヴォーカルに鳥肌が立ったのを思い出す。あれ以来彼は私にとっておそらく唯一の「この人みたいに歌えたらどんなにいいだろう!」とまで思えるヴォーカリストなのだ。  さて、整理券を持っていないばっかりに、サインも握手もしてもらえない私は、あたかも「たまたま見てファンになりました!」みたいな顔を装って、馬の骨のファーストアルバム「馬の骨」を購入したのである。  せめてお見送りだけでも!と思って最後まで帰らずに待っていてよかった。サインを終えた馬の骨さんからご挨拶があったのである(ふっふっふ、サインをもらってすぐ帰っちゃった人もいるでしょ?)。  去って行く彼の後ろ姿は、あれほどの声量でこれだけの人々をとりこにする男性とは思えないほど、きゃしゃで小さくて女の子みたいだった。  泰行さん、これからもヴォーカリストとしてどんどん進化して行ってね。そしてやっぱり、早くキリンジのアルバムが聴きたいよ。高樹×泰行の強力タッグは不滅である!馬の骨
馬の骨
posted by つむ at 19:26

キリンジSINGLES BEST~Archives~

 キリンジのベストアルバムが出た。  インディーズ時代も含めたシングルを発売順に並べたもので、全曲すでに持っているへヴィー・キリンジャー(笑)の私としては購入を迷ったのだが、結果としては買ってみて大正解だった。  まず、ひと組のアーティストからこんなにもバラエティに富んだ楽曲が(しかもシングルだけでも!)生まれるかという感動。ドライブにぴったりな軽快な曲「双子座グラフィティ」、シリアスなバラード「アルカディア」、ひたすらハッピーなラブソング「君の胸に抱かれたい」、問答無用の超名曲「エイリアンズ」、ポップセンスがきらめく「雨は毛布のように」、ストリングスが胸を打つラブバラード「Drifters」……んー、だめだ。私にはとてもキリンジの良さを書き表すことが出来ない。とにかく聴いてみてほしいとしか。  ご存じない方のために書き加えておくと、キリンジとは堀込高樹・堀込泰行兄弟によるポップデュオなのだが、流麗なメロディーに想像力を喚起させられる歌詞、凝っているが聴きやすいサウンド、そしてなんといってもヴォーカル(弟・泰行)のまろやか、なめらか、たおやかなハイトーンヴォイスがたまらない、本当に今の日本の音楽シーンにここまで贅沢な音楽が存在するのかというくらいの、奇跡のユニットなのである。  キリンジのアルバムはどれもすべて素晴らしいので、このベストを聴いてみた方々にはぜひ、アルバムの方へも進出してほしいと願いつつ、とりあえず今回はこの辺で。キリンジについて語りだしたらとても1MBでは収まらないので(しかし文章力がない私……)。 キリンジ SINGLES BEST Archives (通常盤)
キリンジ SINGLES BEST Archives (通常盤)
posted by つむ at 09:59