宝塚歌劇団雪組公演「ひかりふる路」「SUPER VOYAGER!」

 今回、望海風斗(だいもん)と、真彩希帆(きほちゃん)のトップお披露目公演となった雪組。
 マクシミリアン・ロベスピエールという、フランス恐怖政治の代名詞的な人物、おおよそヒーローとしては描かれてこなかった人物を、宝塚のヒーローらしい清廉潔白で素朴な人物として描くにあたり、演じることができるのはだいもんしかいないでしょう。

 相手役、架空の人物であり、ロベスピエールを暗殺するために近づいたつもりが愛してしまうというマリー=アンヌを演じるきほちゃんも、もうとにかく歌がうまいとは聞いていたけれど、上手いというレベルではなく、完全に「役」の歌になっていて、愛憎半ばする複雑な思いを見事に表現していた。 
 これだけヒロインのソロの歌がふんだんにある、というよりヒロインの歌で物語を進めていくといってもいいくらいなのは、宝塚歌劇としては画期的な試みなのでは? そしてそれを可能にしたのはきほちゃんの歌唱力に他ならない。 
 ボリューム、ビブラート、表現力、あらゆる面で大昔の歌うま娘役さんをほうふつとさせた。 
 ただ、彼女がうますぎて、他の娘役さんのなかでかなり聞き劣りする人が見受けられたのは(うまい人もいるんだけれどね、中にはソロがあるのが気の毒なくらいいまいちな子もいるわけで……)。
 今まで観劇してきて、本当にかわいそうなくらいソロの歌がない娘役トップさんも見てきた。 別に下手というわけでもないはずなのに、お芝居でもショーでも男役の添え物に過ぎないみたいな存在のヒロイン。 
 最近は時代の変化からか、ヒロインも自立していて職業があったり、強気で自分の力で人生を切り開いていくような女性像が増えてきている。 いいことだと思う(娘役びいきの私としては)。 やはり主たるファン層である女性に共感されなければ、少しずつ廃れていってしまうだろうから。 

 そんなきほちゃん、ショー「SUPER VOYAGER!」では声色も歌い方もまるっきり別物に変えてきていて、同一人物⁉と驚くばかり。 やや要素を詰め込みすぎなのでは?と思われる、ヴァラエティーに富みまくりのショーなんだけれど、中でもあまりの美しさに大注目の朝美絢(あーさ)が女役に扮し、二人の男をほんろうしたあげく……というアダルトな場面で、あーさのおみ足にくぎづけ。 割と男役に対しては面食いを自任している私だけれど、あーさは今まで好きになった男役さんとはまた違う美しさで、歌もしっかりしていることが今回確認できたし、ますます楽しみになってきた。
 
 そして公演デザート、「カシスノワール」がこちら↓ 私は「ラ・ロンド」でいただきました。
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 青い部分の素材が何なのかよくわからなかったんだけど……(食べていいものなのか、蝋とかだったら食べちゃいけないだろうし)一応、トリコロールカラーを表現していることは理解できた。
 狭そうに見えて結構広くて回転も早く、ゆっくりできるカフェで、おすすめです。