金子由紀子「持たない暮らし」

 今回の東北関東大震災には、阪神大震災を経験した私としても、本当に言葉がない。
 何か書かなければと何度PCに向かっても、ブログにしてもtwitterにしても、何を書いても空しいような気がして、キーを打つ手が止まってしまうのである。
 募金、ボランティア、節電、それ以外に、被災していない私たちにできることは何だろう。
 その一つとして、今後いつどこで起こるかは分からないが来たるべき次の災害に備えること、とりわけ、不要な物を持ちすぎていないかチェックしてみること、というのがあるかもしれない。
 このたびの大津波は、大切な物も、そうでもない物も、明日にでも捨てようと思っていた物も、何もかも呑みこんでさらって行ってしまった。
 「モノ」のむなしさ、はかなさを痛感した人も多いと思う。
 大切なものはともかくとして、使わないのになんとなく取ってある物、もったいないからとしまいこんでいる物、ストックしているうちに古くなってしまった物、誰の家にもあるそういった物を、この機会に見直してみてもいいのではないか。

 シンプルライフのカリスマ的存在になった著者は、「持たない暮らし」7ヶ条として、
 ・もらわない
 ・買わない
 ・ストックしない
 ・捨てる
 ・代用する
 ・借りる
 ・なしで済ます
を挙げている。
 特に「代用する」「なしで済ます」は、停電、買い占めなどが問題になっている今、試してみる価値はある。 家電や調理器具などは、代用できるアイディアがいろいろある(詳しくは本書をお読みください)。
 金子氏はtwitterでもあらゆるアイテムの代用アイディアをここぞとばかりにいっっっぱいつぶやいておられて、「さすがだなあ」と唸ってしまったのだが、そう考えてみると、「なくても別に困らないけれど、あるからとりあえず使ってる」「なくてもいいけど便利そうだから買った」的なアイテムって、知らず知らずのうちに私たちの身の回りに増殖してたんだなあと思う。
 洋服なんかもそうだ。 あるのに、もっと別のものがほしくてつい買ってしまう。 インナーなんかも、安いとついストックしてしまう。 他にも、「ご自由にお持ちください」とあれば、必要ない物でもついごっそりと持ち帰ってしまう。 ジョッキやらトートバッグやらの「おまけ」がほしくてビールを買ってしまう。 携帯電話のショップに行くとつい、無料のポケットティッシュが置いてないかなあと探してしまう――思い当たる人もいるのではないか。
 不要なモノ、使いもしないモノに囲まれて暮らしていると、本当に自分にとって必要なモノが見えにくくなる。 モノだけではない。 本当に自分のしたいこと、なりたい自分、克服すべき課題といったものさえもあいまいになってきてしまうのだ。 そうして、自分を好きになれなくなり、なんとなくもやもやした気分のまま日々を過ごすことになる。 こんなにもったいないことはない。
 今の自分にとって不要なモノをいったんすべて処分し、以後は、本当に好きな少数の物だけを大切にして暮らすようにすると、整理収納やらそういう無駄な時間を過ごすことが減り、本当に自分のしたいことにだけ時間を割けるようになる。 自分の中にしっかりした軸ができて、ブレない自分になることができる。 そうして夢に近づくことができ、精神的にも落ち着く――そういう暮らしを著者は本書の中で推進しているのだ。
 軸なんて全然ない、ブレまくりの私も、少しずつだが自分の持ち物を整理し始めている。 そうすることによって、少しでも「自分とはなにものか」「どういう方向に進んでいけばいいか」が見えてくればいいと願っている。

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