ムーンライダーズ「Don't Trust Over Thirty」

 というわけで、6日間の入院と一週間の自宅療養を経て、めでたく?職場復帰も果たした私である。
 最も痛かった最初の3日間くらい、頭の中でぐるぐる回っていたのが、ムーンライダーズ「何だ? この、ユーウツは!!」。
 ♪何だこんなユーウツは、いつまで続くんだろう ガラス瓶の中に閉じ込められて♪ の「ユーウツ」を「腹の痛み」に置き換えると、そのまま当時の私の心境とぴったりだったのだ。
 風邪でもなんでもそうだけれど、病気で苦しんでいるときは、その苦しみが永遠に続くと感じてしまう。元気だった頃があったことが信じられなくなる。一生この痛みとともに生きていかなければいけないのかと絶望してしまうものだ。
 私も盲腸の痛み、手術後の傷の痛み、が、治らずに永遠に続くような気がしてしまい、このガラス瓶のような病室から出られずに一生生きるのか、病院で死ぬっていうのはこういうことなのか、と、今でこそオーバーな気もするが、本気でそのくらいの落ち込みに至っていた。
 そんなわけで、このアルバムを聴きながらさらに暗い気分になっていったわけだけど、ほぼ完治した今はごく普通の気分で楽しく聴いています。
 ムーンライダーズデビュー10周年を記念するアルバム(1986年)。でも記念アルバムとは思えないほど暗めの重めの雰囲気に包まれた作品である。
 歌詞に特徴的なのが、憂鬱と逃避。30代、40代になり、仕事でそれなりの地位を築き家庭も築いた男の憂鬱と逃避願望なのだ。
 ♪金さえあればの40代 ああ金がほしい 自由がほしい 何もしたくない♪と歌う蛭子能収作詞の「だるい人」。子供も愛人も妻も捨てて逃亡する男を歌う「Don't Trust Anyone Over Thirty」。そして冒頭にもあげた、心の病を歌った「何だ? この、ユーウツは!!」。
 サウンドも(時代もあるんだろうけど)やや重めで、決して気軽に聞ける作品ではないものの、やはりムーンライダーズらしいロックの楽しさが存分に感じられる作品である。
 カーネーションファンの私としては「ボクハナク」での直枝氏の、デビュー前とはとても思えない成熟したヴォーカルがまたうれしい。
 それにしても1986年。私はチェッカーズに夢中だったド田舎の小学6年生。とてもとてもこの作品が耳に入る状況ではなかったわけだけど、21年という時を経て32歳になった私の耳にも、若干の懐かしさと、大いなる新鮮さをもって響く名盤である。

 ちなみに、私が病気で休んでいる間に、なんと勤め先のわが大学は、はしかで休講になってしまいました……。
 休講中の大学事務局というのは決して遊んでいるわけではなくて、休講分の補講をいつやるか、先生方との調整とかでけっこう大変なんです。
 はしかで療養中の学生諸君、大丈夫、絶対に治るよ。永遠に続くなんてことはないよ。

DON’T TRUST OVER THIRTY / HQCD ムーンライダーズ
PONYCANYON INC.(PC)(M)
2009-03-18
ムーンライダーズ

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