ムーンライダーズ「アンソロジー 1976-1996」

 先日図書館で、ミュージックマガジン誌の特別編集本「ムーンライダーズの30年」というのを借りた。
 正直、ライダーズさんの弟バンド(?)であるカーネーションに関してはファンクラブに入るほどの大ファンなんだけれど、ライダーズさんのCDは「Bizarre Music For You」とこのベスト盤「アンソロジー」しか持っていない、まだまだ薄いファンである私。
 だからこういう本を読む資格自体本当はないのかもしれないし、ましてムーンライダーズについてブログを書くなんて……。
 いや、そういう考え方はいけない。そもそもそういう、われわれリスナーが勝手に抱いてしまう「ムーンライダーズに対する敷居の高さ」が、この日本最古の現役ロックバンドを現在に至るまでカルトバンドにしてきてしまったのではないのか。
 確かに、手軽に聴ける音楽ではないかもしれない。でも、あれこれ考えながら、集中しながら、脳みそをフル回転させながら音楽を聴くという体験は(それも今の日本のロックやポップスで)ムーンライダーズでしか出来ないと思うし、そういうことだって大事なんじゃないか。ぼーっと音楽を流して「あー癒された」という音楽の聴き方もありだとは思うけれど。
 2枚組。1枚目はごく初期の作品集で、時代を感じさせるサウンドにかえって新しさを感じてしまうのは私だけ? 2枚目は当時の最新アルバム「Bizarre…」までの作品集なんだけれど、1枚目に比べるとずいぶんビビッドに元気になっているように思う。ライブヴァージョンで収録されている曲もあり、意外にも(失礼)ガンガンに派手に盛り上がっていそうな印象(「Frou Frou」のギターソロのかっこいいこと!)。私の大好きな「BEATITUDE」もライブヴァージョン。思わず会場にいるつもりで大合唱。
 確かに、ヒット曲はない。聴いたことがあるような曲もない(またも失礼)。しかし、ムーンライダーズでしか得られない、痒いところを掻いてもらうのではなくくすぐられるような、屈折した快感がここにはギッシリ詰まっている。そしてこのバンドが30周年を迎えることができた事実は、そっくりそのまま、そういう種類の快感を求めている心あるリスナーが日本中でひっそり存在しているという事実をも示している。おしゃれなレストランやビーチやゲレンデを知らなくても、人より幸せがちょっと足りなくても、ムーンライダーズがなくちゃ生きていけない、そんな人々が確かに生きているのだ。

アンソロジー 1976-1996
メディアリング
1998-05-02
ムーンライダーズ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by アンソロジー 1976-1996 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0