宝塚歌劇団月組公演「エリザベート」

 さあさあさあ、ついに私が何ヶ月も待ちに待っていたエリザを観る日がやってきたのだ!!
 今回、実は某市営バスのツアーに参加してきた私。エリザの観劇ツアーなんて粋じゃない♪ 席は2F真ん中辺りで、ちょっと見づらかったが、舞台上の迫力は十分伝わってきた。
 さて、「エリザベートってよく聞くけど、いったいどんな話?」という方のために、ざっと今回の月組公演のキャストとともにあらすじを…。
 ※バイエルン公爵令嬢のエリザベート(瀬奈じゅん)は、自由を謳歌する少女時代を送っていた。ある日、木登りに失敗して墜落し、彼女は黄泉の国をさまよう。そこには黄泉の帝王(つまり死神)トート(彩輝直)が。ところがトートはエリザベートに一目ぼれし、あえて彼女の命を奪わずに、生きた状態の彼女に愛されたいという、叶わぬ思いを抱くようになる。
 一命を取り留めたエリザベートはやがて、オーストリア皇帝のフランツ・ヨーゼフ(初風緑)に見初められ、皇妃となる。しかしフランツの母であるゾフィー皇太后(美々杏里)との確執、窮屈な宮廷生活、母の言いなりであるフランツなどに苦しめられ、一度は死を考えるが、やがて自分の美貌を武器に強く生き抜いてみせると決意。事実、外交には彼女の美貌が役に立ち、彼女はハンガリーの国民からも熱狂的な支持を得る。
 エリザベートとフランツの長男・ルドルフ皇太子(大空祐飛)は、父の政策に疑問を抱き、革命家たちとともにクーデターを企てるが失敗。父からも母からさえも見捨てられ、トートの誘惑に負けて自ら黄泉の国へ旅立ってしまう。絶望するエリザベートはトートにすがるが、トートは「死は逃げ場ではない」と彼女を突き放す。やがて、各国をさまよい歩くエリザベートを、イタリア人アナーキスト、ルイジ・ルキーニ(霧矢大夢)のナイフが襲う…。※
 今回の目玉はなんと言っても、次期月組男役トップスターに内定している瀬奈じゅんのエリザベート役であろう。私は実は前回の花組エリザを見ているのだが、まさかあの時のひげ面のアナーキスト・ルキーニが、次にエリザをやるなんて、思いもしなかった。本人が一番驚いていることだろうが。男役が女性を演じる、しかもエリザベートという、かなりの歌唱力(特に高音)が必要とされる役。いったいどうなっちゃうのかかなり心配だったが、前回の大鳥れいがバラ色のエリザだったとしたら、今回は深いブルーのエリザ。ますます生身の人間味を増した、男っぽい硬質なエリザで、これもこれでありかなと。特に苦悩に満ちた心情の表現はかなりのもので、ルドルフの棺に取りすがるシーンなどでは私も泣いてしまった。歌唱もまずまず。ただ、少女時代の台詞の声は非常にかわいらしかったが、成人してからの声に今ひとつ女性らしさが現れなかったか。
 というわけで、かなり健闘した瀬奈に対するは、今作での退団が決まっている彩輝。今回、瀬奈と身長がほぼ同じくらいということもあってか、今までの「黄泉の帝王閣下と、彼に愛された悲劇のお妃さま」というイメージが変わり、「自由を求める野性的で男勝りの皇妃と、彼女をいちずに追い続ける若き死神」みたいに、力関係が逆転している感じがする。そこはやはり彩輝にもう少し存在感がほしかったかなという気がするが、彼女の最大の武器である中性的な妖しさはしっかり発揮されていた。よく指摘される歌唱の弱さも、確かに荒削りなところもあるが、豊かな声量で場内を確実に支配し、堂々たる歌いぶりだった。
 霧矢のルキーニは期待通り。声量十分、歌唱力抜群、身のこなしも軽やかで、さすが霧矢といったところ。この作品は音量も大きくコーラスも多いため、どうしても台詞や歌詞が聞き取りにくいところがあるのだが、霧矢はストーリーテラーとしてその辺りもがんばっていたと思う。
 初風のフランツもばっちり。若い頃と年老いてからの演じ分けがはっきり出来ていて、同じ人とは思えないほど。こちらも期待通り。
 大空のルドルフは、印象がやや薄かったが、それでも今の月組でルドルフをやれるのは彼女しかいないだろう。
 革命家、エルマーの月船さらら、シュテファンの北翔海莉、ジュラの真野すがたは…ちょっと印象に残らなかったなあ。
 美々のゾフィーは、歌唱はさすがだったが、ひょっとして芝居は今ひとつ? 「ここ!」という場面の決め台詞がやや弱い。
 あとは、エリザベートの女官長であるリヒテンシュタイン伯爵夫人の紫城るいの歌唱力、ルドルフの少年時代の彩那音のかわいらしさ(でも歌はかなり問題。実姉である彩輝との共演はほほえましかったが)、マダム・ヴォルフの嘉月絵理の男役とは思えない妖艶な女っぷりなどが印象に残った。
 いやーそれにしても、やっぱり素晴らしい、宝塚。特に「エリザベート」は音楽も舞台美術も他の演目とは一味違うので、チケットはかなり取りにくいだろうがぜひ多くの人に観てみてほしいと切に願う。
 さて、これで雪→星→宙→花→月と全組がエリザを上演したわけだが、もうこれで終わりなんだろうか。宝塚のことだから、もう一周くらいしてくれないだろうか。となると次は2~3年後に雪組ということに。貴城けいトート、晴華みどりエリザベートなんてどうだろうか(私の勝手な想像なので、ファンの皆さん怒らないでー)。

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